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「応えろ伏黒。どんな女がタイプだ」
「アレ夏服か?ムカつくけどいいなー」
『野薔薇の制服まんま学ランだもんね。ほら、私の見て、拘ったんだよココ、ココ』
「何だコレ大喜利かよ」
しばらくの沈黙。
なんて答えるのか、その場の全員が何となく息を呑んだ。
流石にタッパとケツ、とまではいかないだろうけど、特定の容姿のことだったらなんだか色々絞られてしまう。
例えば、髪はショートカットとか、タレ目とか?
チラ、と様子を伺うと、彼もジッと視線を向けていてバッチリと目が合う。
ギョッとするAをよそに、伏黒は至って落ち着いたまま視線を東堂に戻して再び口を開いた。
「別に、好みとかありませんよ。その人に揺るがない人間性があれば、それ以上は何も求めません」
その回答は、思ったよりもずっと抽象的だ。
真っ直ぐと前を見据えた目に、心臓がドクンと鳴った。
容姿のことを言うわけでもなく、具体的過ぎる内容を言うわけでもないこの回答はその場の女性陣一同に好印象を与えたようで、真依先輩に関してはハートを飛ばしている。
「悪くない答えね。巨乳好きとかぬかしたら私が殺してたわ」
「うるせぇ」
『答えたんだから美味しい生八ツ橋出せー』
「やっぱりだ」
少し震える声でそう言った東堂の目からは、なぜかキラリと光る涙が一筋流れていた。
『えーー、泣いてるよ…?慰めた方がいいのかな、』
「…A、下がってろ」
伏黒がAを下がらせた次の瞬間、
「──退屈だよ、伏黒」
何故か一筋の涙を流す東堂のラリアットが伏黒を直撃して、そのまま後ろに吹っ飛んだ。
『は、?! 恵!!!』
追いかけようとして、止まる。
野薔薇が今丸腰だ。伏黒がどうなってるか分からないけど、真依さんも攻撃があるなら加勢するなら野薔薇か──、
「変な気ぃ使ってキモイわよ。アンタは伏黒の方行け」
『野薔薇……あの、でも野薔薇今、丸腰だよ…?』
「わーってるわ!!こんな性悪女に術式なしでも負けないっつってんのよ」
相変わらず強気な野薔薇に頑張っての意を込めて必殺ウィンクを飛ばしていつも通り一蹴されてから、かなり吹っ飛ばされた恵の元へ向かった。
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歌詞 - 特急が取り込んでいたのか (3月22日 17時) (レス) @page32 id: 2b3270be69 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - るるさん» コメントありがとうございます❕かわいい性格に書けていたならとても嬉しいです😖スタンドバイミー、いつ見ても名作ですよね…!! (6月5日 1時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - まって、、夢主かわいい💕 てか、スタンドバイミー最高ですよね!リバーフェニックス私も好きー!クリスは性格もイケメンだし、、、。 (2023年5月5日 0時) (レス) @page3 id: 7b5dad0b18 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - †NANA†さん» 詳しく教えて下さり本当にありがとうございます…!!誤字が多くて申し訳ないです😞 (2022年8月14日 20時) (レス) id: f3920fcf38 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ32と33で、「特級」が「特急」になっています。 (2022年8月13日 16時) (レス) @page35 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とま x他1人 | 作成日時:2022年5月17日 0時