【呪術廻戦】呪われないでね

呪胎戴天-弐- ページ23

『(ここは私が何とかしなきゃ…!)』





それに──、





『残念、多対一は私の十八番よ!!』






『氷凝呪法──霜凪!!』




『──全員、私が凍てつかせちゃうから』








＊






『氷凝呪法──霜凪!!』





初めて見た、Aの術式。






「(何よアレ…!!ムカつくけど確かに綺麗じゃない…!!)」




『もう一発…!──霜凪!!!』






氷凝呪法──霜凪。



口元に手を添えたAの口から吐き出された冷気は、呪霊のいる辺り一面を氷漬けにする。


広い攻撃範囲、一度当たればそう簡単に引き剥がせない絶対零度の氷。







『氷凝呪法──直瀑!!』





呪力を込めた体の一部で周囲に触れる事で発動する術式。



そこで足止めした呪霊の上から一気に鋭利な氷が降り注ぐ。








「A、アンタしっかり強いじゃない…!!」




こんなの私も負けてらんないわ。




「芻霊呪法──共鳴り!!」


『わぁお、近くで見たの初めてー!』





私の呪力を纏った釘が呪霊に突き刺さって爆ぜる。



「(フン、決まった…)」



フッと顔にかかった前髪を払って、また新しい釘を持ち直す。


私の術式だと一度の広範囲攻撃は難しい…、となるとAの呪力がどこまで持つかにかかってるわね…





『野薔薇ー!今のかっこよかった!!』


「わぁったわよアンタ自分の敵に集中しろや!!!」





＊





「"鵺"」





むき出しの配管だらけの中を鵺に掴んでもらって一気に駆け抜ける。





「(死ぬなよ…虎杖、釘崎、



──A…!!)」






─呪胎戴天-弐-─







「ここまで近づかれたらもう逃げらんねぇ」



「俺が死んだらお前も死ぬんだろ、それが嫌なら協力しろよ、宿儺!!」





たった今左手を落とされた虎杖がベルトで腕を止血しながら言うと、虎杖の頬に口が現れた。





「断る」




「お前の中の俺が終わろうと切り分けた魂はまだ18もある。とは言え、腹立たしいことにこの肉体の支配者は俺ではない。代わりたいのなら代わるがいい」




宿儺の口がニヒルと笑った。





「だがその時は、呪霊より先に伏黒(そこのガキ)を殺す」



「次に茶髪の女。アレは活きがいい、楽しめそうだ」




釘崎のことだな…、それならやっぱり虎杖に宿儺を出させるわけにはいかない、




「最後にあの女、髪を染めてもバレバレだ。あの女は裏梅の家系の子孫だな。呪詛師の才能がある」





「…久我のこと言ってんなら久我は呪詛師になんかなんねェよ…!!」

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