【呪術廻戦】呪われないでね

・ ページ16

『きみたち、ご主人様は優しくしてくれるかい？』


「…」






『──うんうん。なるほど…』








『ちょっと笑顔が足りねぇぞ。だって』


「言ってねぇよ」






『先生はなんて聞こえたー？』


「んー。恵は素直じゃないから可愛げないぞっ!って」


「言ってねぇよ」






ノリ気じゃない伏黒に先生とぶーぶー文句を言うと、「てかそれアンタの感想でしょ…」とすごく嫌そうな目を五条先生に向けた。







『スマイルくださーい』



「…売り切れ」


『うそだ!!売り切れるほど笑ってないだろ!ちゃんとスマイル提供しろよ!!』


「ただの迷惑客じゃねーか」





『…って玉犬が──』


「言ってねぇよ」





伏黒を無視して玉犬をわしゃわしゃ撫でると、更に尻尾をブンブン振り回す。ちぎれちゃうんじゃないかな。





本当に千切れんばかりに尻尾を振って、やっぱりご主人様大好きって顔してる。





さては、すっごく可愛がられてるな君たち!



なんて。自分で思っておきながら少しおかしくて笑ってしまう。





だって彼が自分の式神たちのこと大切にしてるなんてずっとずっと前から知ってるのだ。







『ね、ね、伏黒みて』


「…？」






一緒に玉犬を撫でてた伏黒にそう言って、大きな玉犬に隠れるようにしゃがみ込んだ。







『ウソだよ、メグミクン。メグミクンのことすっごくダイスキだワン!』







「…」




『わんわんわおーん』




「……」









あれ。




あれあれ、おかしいな。


完璧な玉犬ぶりだったはずなんだけどな？






あまりに無反応過ぎて、五条先生も反応してくれないからちょっと心配になってチラリと玉犬の背中から2人がの方を見ると、ニヤニヤ顔の先生。





それと、なぜかカチコチに固まった口を抑えて目を逸らす伏黒。







「……」



『…？え、なんか言ってよ』







「恵ぃ〜恵も大概分かりやすいよねぇ」



「キメェ顔しないでくださいぶん殴りますよ」


『いやそっちこそ顔真っ赤だよ』



「……悪かったなキメェ顔で」


『言ってないよ？？』








キメェ顔なんてとんでもない。




割とずっと一緒にいるけど、昔から肌綺麗だし、髪もツヤツヤ真っ黒で、目が切れ長でまつ毛が長くて、





改めて見るとやっぱりイケメン。緑色の目がキレイ──…







『ね、イケメンだね』



「っは、？……ハァ？!」



「アハハ。ウケる〜ねぇA僕は？」

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す