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先生と宿儺の激闘(?)は先生の勝利に終わって、虎杖はおでこを弾かれて気絶した。
「これで目覚めた時に体を奪われていなかったら、彼には器の可能性がある。さて、ここでクエスチョン。──彼をどうするべきかな?」
「…仮に器だとしても、呪術規定にのっとれば虎杖は処刑対象です」
「でも死なせたくありません」
珍しく力のこもった目付きに、五条先生と目を見合せた。
正確には目隠しとだけど合っていたということにしておく。
「私情?」
「私情です。なんとかしてください」
先生はクックック、と喉を鳴らして子供が見たら引くくらい不気味な笑い方をした後、ビシッと親指を立てて見せた。
「可愛い生徒の頼みだ。任せなさい」
伏黒がここまでする相手。きっと会ってまだ何日も経ってないのに。
それだけで、虎杖悠仁が私の興味を引くには十分だった。
*
呪術高専に入学した生徒はほとんど皆寮で生活している。
人数が少ないから校舎も寮もそれほど大きくはないけど、部屋は一人分には十分な広さだ。
「げ、隣かよ」
「おっ、伏黒!!今度こそ元気そうだな!」
完全ダル着の伏黒が廊下から響く声に気づいて部屋から出てきた。
怪我は治っているようだけど、眉間のシワと無愛想な表情は相変わらずだ。
「空室なんて他にいくらでもあったでしょ」
「だって賑やかな方がいいでしょ?良かれと思って──」
「授業と任務で十分です。ありがた迷惑」
割と傷つくことを言われているにも関わらず、当の虎杖は空いた扉の隙間から伏黒の部屋を覗き見ている。
「おー!ちゃんとしてる!!」
「…迷惑だっつーの!」
ドカッと扉を閉めれば、扉に挟まれて虎杖が痛みに軽く悲鳴を上げた。
首を擦りながら辺りを見回す。
「あれ、あの子は?」
「…久我なら今は──」
「Aは都内で任務中だよー。Aも恵と同じ2級術師だからね、単独任務が許されてるんだ」
「えっ!!じゃああの子があのA、ちゃん?」
不用意な虎杖の言葉に、ピクリとひとりが反応した。
「ん?どのAちゃん?」
「伏黒のカノ──」
「違ぇよ…!お前マジで黙ってろ」
「初耳なんだけどー??いつから恵のAになったの?!!」
「違ぇっつってんだろーが、話聞けよ…!!」
「まぁ、それは後で聞くとして。
明日はお出かけだよ!4人目の一年生を迎えに行きます!」
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歌詞 - 特急が取り込んでいたのか (3月22日 17時) (レス) @page32 id: 2b3270be69 (このIDを非表示/違反報告)
Uo(プロフ) - るるさん» コメントありがとうございます❕かわいい性格に書けていたならとても嬉しいです😖スタンドバイミー、いつ見ても名作ですよね…!! (6月5日 1時) (レス) id: d9295642a6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - まって、、夢主かわいい💕 てか、スタンドバイミー最高ですよね!リバーフェニックス私も好きー!クリスは性格もイケメンだし、、、。 (2023年5月5日 0時) (レス) @page3 id: 7b5dad0b18 (このIDを非表示/違反報告)
とま(プロフ) - †NANA†さん» 詳しく教えて下さり本当にありがとうございます…!!誤字が多くて申し訳ないです😞 (2022年8月14日 20時) (レス) id: f3920fcf38 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ32と33で、「特級」が「特急」になっています。 (2022年8月13日 16時) (レス) @page35 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とま x他1人 | 作成日時:2022年5月17日 0時