料理 ページ18
結局ただの警戒心のないお人好しか...
湯船につかりながらそう考える。
流石に下着には手を付けないが、
扉一枚隔てた外ではAが洗濯物を手洗いしている。
洗濯機でやるには砂だらけで
そもそも制服を洗濯機で洗うのは良くないと
随分家事になれている様子だ。
しかし、またなんで大してあまり親しくない
先輩の世話までわざわざ家に呼んでまで焼くのだろう？
結局は自己嫌悪に陥っているからなのかもしれない。
今回が初めてでなかったとしても
きっと力を制御できなかったことにはショックを受けただろう。
そのうえ鼻血とはいえ人に怪我をさせたのだ。
故意的な意識がない場合、
実は大抵被害者よりも加害者の方が辛い
なんて聞くが実際その通りなのかもしれない。
ーーー
ーー
風呂を上がり肩にタオルをかけながら脱衣所を出る。
下着は同じものを穿くしかなかったが
いくらか大きめのTシャツと短パンを貸してもらった。
きっとAの父のものなのだろう
と勝手に納得していた霊幻は包丁の小刻みな音を聞く。
音とともに聞こえると何かを煮込む音と
いい香りが漂ってくる。
そのままつられてキッチンに入っていくと
Aがいた。
「お風呂ありがとうな。俺もう帰るよ。」
「あ、もうお風呂済んだんですね。」
そういいながら作業を続けるAの手には
茹でた後のほうれん草がある。
どうやら夕食の用意をしていたらしいが
かなり品数が多そうだ。
「おまえ料理うまいな。」
そのまま帰ると言っておきながら
隣に並んで関心していると
Aはそのまま話を続ける。
「食べたこともないのにそんなのわかるんですか？」
「いや、手抜きしないんだなって。」
「あぁ…」
何だ？
急に眼を伏せて
悲しそうな表情でほうれん草を器に入れ
次の料理を器に盛りつけ始める。
何か気にさわるようなこと言ったか？
「品が多いと食べ応えあるというか、ちょっと楽しみになりません？家に帰るの。」
「あぁ、まあな。なんだし最後に俺手伝うよ。」
「え、あぁ。来客なんで大丈夫ですよ。気を遣わずにテレビとかどうぞ。」
「いや、悪いからさ。それに俺客じゃないし。帰るし。」
そういいながらすでに盛り付けの終わった
器を手に取りリビングに向かう。
キッチンとリビングの間には扉が一枚隔ててあるが
その扉が空いているのですぐにリビングがわかった。
そのテーブルの上には箸とコップが三人分置いてあった。
終わり
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Lemonaめろんそーだ。(プロフ) - めっちゃ続き気になります、、、 (2019年2月2日 23時) (
レス) id: 410f0c8008 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます (2017年8月9日 11時) (レス) id: e2cf070f5b (このIDを非表示/違反報告)
99(プロフ) - コメントをありがとうございます。読者様がそのように思ってくださっていることを知ってこの小説に定期的に取り組もうと再度思いましたので、明日投稿しますので宜しければ見てください。 (2017年8月9日 0時) (レス) id: 996208e53c (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 続きが凄く気になります (2017年8月9日 0時) (レス) id: e2cf070f5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：99 | 作成日時：2017年5月11日 16時
