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満点のテスト用紙 ページ2

入学式も終わり桜が葉桜に変わり始めた頃だった。

Aは新しい中学校という環境に徐々に慣れ始めつつあった。

新しい友人にも恵まれ何より同じ小学校から
この中学校に入学したものがいなかったのが
一番彼女にとって嬉しいことだった。

彼女には人とは違う部分があった。

始めは周りも自身も
平和に学校生活を送っていたのだが、
ある日徐々に力の制御が効かなくなりその能力は露見していった。

それは次第に大きくなり

周りにあるものを宙に浮かしてしまったり
物を勝手にガタガタと動かし
周りを驚かせてしまうといったことが

高学年にもなると
怒りに任せて突然口喧嘩の相手を
無意識に弾き飛ばしてしまうようなことが起きた。

その時口喧嘩の相手はロッカーの角に頭をぶつけ大騒ぎになった。

最後には保護者同士対面し
こちらが頭を下げどちらとも悪かった。ということで話は落ち着いたはずだったのだが

周りの保護者は
自身の子供を傷つけられまいと

自然と私と友人を遊ばせるのを避けさせるようになった。

その後様々な悶着が起き
超能力者の兄のことも兼ねて私は
一度転校までしたことがあった。

そんな私であったが、
この玉味県に引っ越しこの中学校へ入学した。


ここでは誰も私の超能力の事を知らない。

今度こそ普通の人として生きていく。

そう意気込み張り切っている時期のAが
ある日の放課後、

下校している際に目の前を小さな何かが通り過ぎた。
それは上から次から次へとヒラヒラと飛んでくる。

それは一枚の紙屑だった。

その紙屑には印刷文字とは別に
何かを乱雑に殴り書きしたようなペンの跡が残っている。

下校時間を数十分すぎている今時分

ついこの紙屑の正体が気になったAは誰も見ていない事を確認してから

超能力を使って紙屑を手元に収集し、
元の一枚の紙に戻した。


それは一枚のテスト用紙だった。

「100点…」

そのテスト用紙には確かに赤字で丁寧に100と書かれていた。
各問題にもそれぞれ丁寧に赤丸が付いている。

「すごい…」

しかし、問題なのはテスト用紙の高得点にではなく
その用紙に書かれている罵倒の数々に驚嘆せざるおえない。

悪意のこもった「死ね」の文字がそこには書かれていた。


Aはすぐに空を仰いだ。

一見誰もいないように見える校舎だが、
確かに一番上の教室で窓に背を預け


もたれかけている金髪の青年がいた。

金髪の先輩→←設定



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Lemonaめろんそーだ。(プロフ) - めっちゃ続き気になります、、、 (2019年2月2日 23時) (レス) id: 410f0c8008 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます (2017年8月9日 11時) (レス) id: e2cf070f5b (このIDを非表示/違反報告)
99(プロフ) - コメントをありがとうございます。読者様がそのように思ってくださっていることを知ってこの小説に定期的に取り組もうと再度思いましたので、明日投稿しますので宜しければ見てください。 (2017年8月9日 0時) (レス) id: 996208e53c (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 続きが凄く気になります (2017年8月9日 0時) (レス) id: e2cf070f5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:99 | 作成日時:2017年5月11日 16時

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