第三話 生き残れ 炭治郎視点 ページ5
「ここからは別行動にしましょう」
「な、なんでだ? 」
「これは最終選別。一人一人が本当に鬼と戦えるのか見極める選別。
一緒に行動しても意味がないわ。
それに……私は自分の実力を試したい。
……もし、それで私たちのどちらかが生き残ったとしても、
二人とも死んだとしても、その時はその時。
実力が足りなかった、弱かった……ただそれだけのことよ」
た、確かに巫兎が言っていることは間違っていない。
ここで協力して生き残ったからといって、その後一人で鬼を退治できるとは限らない。
でも……
「巫兎が考えていることはわかったし、別行動に対しては賛成だ。
俺も、自分がどこまでできるか試してみたいし……。
でも! どうして君は、自分が死ぬことをそんな……軽く言えるんだ!?
もっと、自分の命を大切にしろ!
俺たちは生き残る!
必ず生きて帰るんだ!
そして、また会おう! 絶対に! 」
俺が志那戸辨の心に届くよう必死に語りかけると、
志那戸辨はふっと笑った。
「ど、どうした? 」
「やっぱり、竈門君は優しいのね……。
わかった、必ず藤の花の下でもう一度会いましょう。
あなたの健闘、祈っているわ」
志那戸辨はそう言うと静かに微笑んだ。
「あぁ! 巫兎も! 」
志那戸辨は辨は体の向きをくるりと変えると、
西の方向へ歩き出し、やがて静かに俺の前から消えた。
初めてみたな、巫兎が笑った顔を。
全く表情が変わらない子なのかと思ってた。
それにしても……俺、あの時勢いに任せて言ってしまったけど……。
生きて帰れる自信が……ない。
巫兎は俺よりもずっと強いけど、俺はさっきの鬼を相手するだけで慌ててしまった。
……でも、巫兎との約束を守らなくては!
必ず、生きて帰るんだ!
俺がそう決心して顔を上げた瞬間、突然強い鬼の匂いが炭治郎の鼻を刺激した。
ん!
なんなんだ、この腐ったような匂いは!
刀をしっかり握りなおすと、俺は鬼の匂いがする方向へ走り始めた。
*作者より*
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皆様、本当にありがとうございます。
次回は初の巫兎視点です。
これからもこの作品をよろしくお願い致します。
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庵原史穂(プロフ) - 西村莉唯(りあ)さん» 西村莉唯様、温かいお言葉ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも精進して参りますのでよろしくお願い致します♪ (2022年3月6日 17時) (レス) id: 0038db6d5e (このIDを非表示/違反報告)
西村莉唯(りあ)(プロフ) - 更新したら私即見ます!なので頑張ってください! (2022年3月6日 16時) (レス) id: 929c6fdeb8 (このIDを非表示/違反報告)
庵原史穂(プロフ) - 夏美さん» ありがとうございます! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 0d9f41f564 (このIDを非表示/違反報告)
夏美(プロフ) - 更新頑張ってください! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 5adf9ec04a (このIDを非表示/違反報告)
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