第三十話 機能回復訓練 巫兎視点 ページ33
私が柱合会議について話し終えると、なぜか炭治郎まで落ち込んでいた。
「確かに、俺たちは弱いからなぁ。
こんなんじゃ、無惨を倒せない」
「そうね」
「俺、絶対すぐ死ぬよ」
「あぁ、思い出したくない。
嫌だ、柱、怖えぇよぉ」
「こんにちは」
「あっ、柱!
胡蝶様! どうも、さようなら! 」
村田さんは胡蝶様が現れると、そそくさと帰って行った。
その姿は天敵から逃げるネズミのようだった。
「体調の方はいかがですか? 」
「だいぶ良くなってきています、有難うございます」
「きれいな人だなぁ……」
「では、機能回復訓練に入りましょう! 」
「……機能回復訓練? 」
「あの、胡蝶様」
「あぁ、巫兎さんのことは不死川さんから頼まれてます。
それにしても、あの不死川さんが手を回すだなんて、正直驚きましたよ」
「私もです。
稽古、よろしくお願い致します」
私と胡蝶様の話が理解できないのか、炭治郎と金髪の少年はポカンと首を傾けた。
それもそうだろう。
彼らは私が継子であることを知らないのだから。
「なんで巫兎も参加するんだ?
それに不死川さんって……」
「あぁ、巫兎さんは不死川さんの継子なんですよ。
あの不死川さんが継子を持ったと聞いた時は、本当に驚きましたよ」
「不死川さんって、白髪の人か? 」
「そうだけど」
「……凄いな」
「たまたま、育手が一緒だっただけ。
私は道場の方へ行きますね、失礼します」
「えぇ、わかりました」
胡蝶様に一礼すると私は部屋を出た。
しかし、一度振り返ると
「炭治郎君、誤解してるようだからこの際言っとくけど、
私、強くなんてないから」
それだけ言い残して、道場に向かった。
それから全集中・常中を会得するための鍛錬が始まった。
正直、会得するための鍛錬はとても辛かった。
けれど、私弱い私から変わるために死に物狂いで鍛錬し続けた。
無理をしているのではないかと心配されはしたが、それでも止めなかった。
一刻でも早く強くなるために。
私が私でいられるために、私の道を邪魔されないために、必死に鍛錬した。
そんな私の姿に、一緒に鍛錬をしていた炭治郎と猪頭の子は驚いていた。
特に炭治郎はとても心配してきた。
彼の性格からして、当然そうなるだろうとは予想をしていたけれど。
そして、私は一週間で全集中・常中を会得した。
第三十一話 乾いた物語 巫兎視点→←第二十九話 柱合会議 巫兎視点
77人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
庵原史穂(プロフ) - 西村莉唯(りあ)さん» 西村莉唯様、温かいお言葉ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも精進して参りますのでよろしくお願い致します♪ (2022年3月6日 17時) (レス) id: 0038db6d5e (このIDを非表示/違反報告)
西村莉唯(りあ)(プロフ) - 更新したら私即見ます!なので頑張ってください! (2022年3月6日 16時) (レス) id: 929c6fdeb8 (このIDを非表示/違反報告)
庵原史穂(プロフ) - 夏美さん» ありがとうございます! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 0d9f41f564 (このIDを非表示/違反報告)
夏美(プロフ) - 更新頑張ってください! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 5adf9ec04a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ