風柱の継子は冷徹少女ー最初の分かれ道ー【鬼滅の刃】 (ページ32)

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第二十九話　柱合会議　巫兎視点ページ32

那田蜘蛛山の任務が終わった後、私は柱合会議に召喚された。
柱合会議はお館様のお屋敷で行われるので、私は隠しの人に案内してもらった。
屋敷の前に着くと、そこには見慣れた人がいた。

「村田さん」
「あっ、志那戸辨さん。
　そうか、君も呼ばれたんだね」
「えぇ。あの、ごめんなさい。
　鬼の頸を斬れなくて……」
「あ、あぁ。君が謝ることじゃないさ。
　対処法を見つけてくれただけで充分助かったし」
「そうですか」
「それにしても、嫌だな……。帰りたい」
「仕方ないですよ、生き残っててまともに動けるのは、私たちだけですから」

隠しの人に案内されある一室に入ると、柱の方々が座っていた。
部屋の空気はとても重く、張り詰めていた。

……これは、胃もたれしそう。

私が部屋を見渡すと、不死川さんと目があった。
彼は私が来るとは知らなかったようで、嫌そうな顔をした。

「ぼうっと突っ立てないで、さっさと状況を説明しろ。
　俺たちは暇じゃないんだ」
「伊黒さん、そのように威圧するのは良くないと思いますよ」

私たちは柱たちの視線に急かされるように、報告し始めた。
村田さんはとても緊張していたようで、途中何度も噛んでいた。
一通り報告を終えると、一層その場の雰囲気が張り詰めた。

「十人以上隊士を向かわせたのに、どうしてそうなるんだよ！」
「ここ最近、隊士の質がめちゃくちゃ落ちてるらしい。
　信用しない、信用できない」
「派手に弱りまくってるじゃねぇか」
「あぁ……、弱いまま鬼と戦い死んでゆくなんて、可哀想に」
「命令に従わなかった奴もいるようだな！誠によろしくないな！」
「あぁ？誰だ、そんな出来損ないを育てたやつは！」
「本当に不愉快だ、吐き気がする」
「……水の呼吸だと話していましたが、それ以外は……」
「チッ、使えねぇなぁ」
「言い過ぎですよ、不死川さん」
「そうよ！可哀想だわ」

このようなやりとりが数十分続いた。
ひたすら無能だと言われ続け少し心が折れそうになったが、
自分が弱いことは変えられない事実だったので、私は歯を食いしばって聞いていた。
しかし、村田さんには刺激が強すぎたようで、
終わった後隠しの人に支えられながら帰って行った。

私は弱い。
このままじゃ、私が私でいられなくなる。
だから……！

私は決心すると、空を見上げた。
その日の夕日は、とても明るく綺麗に私の目に映った。