第二十四話 すれ違い 巫兎視点 ページ27
私は操り人形の鬼を探すため、木から木へと飛び移りにしながら山奥へ進んで行った。
進めば進むほど鬼の気配は強くなり、尚且つ充満し分かりづらくなっていった。
気配が強くなってるんだから、鬼には近くに居るはず。
なのにどうして、わかりにくくなってるの?
おそらく鬼は
一匹ならここまで混ざり合った気配にはならない。
似たものが混ざり合ったような気配があたりに充満している。
鬼が群れで生息してるの? でも、鬼は群れない。
それとも、一匹の鬼が分裂している?
……どちらにしろ、やる事は変わらない。
私も村田さんも大怪我はしていないが、早くしないと体力の限界が来る。
はぁ、自分が嫌になる。
すると、微かに人の呻き声が聞こえた。
生存者!? 私たちより先に来た隊員か?
声がした方へ駆け寄ると、そこには幾つもの血まみれな隊士たちが転がっていた。
「何、一体何があったの。
……あっ」
唯一息をしていた隊士は私が来た方向を指すと、絞り出すように言葉を発した。
「にっ、に、げ、ろ……。
強い、鬼がっ……」
それだけ言うと、全身の力が抜け永遠の眠りに入った。
私はすぐさま後ろを振り返ったが、何も居なかった。
「はっ! まさか、すれ違った!
クッ、これじゃ村田さんが!! 」
私は急いで来た道を戻り始めた。
はっ、はっ。
嘘でしょ、すれ違ってたなんて。
辺りを警戒しながらここまで来たのに!
もしかして違う道を通って?
クソッ!
そのまま山を駆け降り続けるが鬼は見当たらなかった。
しかし気配は近くに感じるので、私は余計焦り始めた。
もぉ、一体どうなってんのよ!
すると、後ろでガサっと何かを踏むような音がした。
「誰!! 」
「フッフッフッ、そんな警戒しなくてもいいのにぃ〜。
せっかくの獲物が逃げちゃうよぉ? 」
「はっ! 」
すると、いつの間にか見慣れない子供がちょこんと木の枝に腰掛けていた。
「お探し物は僕かなぁ? お姉さん♪
そしてようこそ、僕たち
そう言うと、その鬼は満面の笑みで微笑んだ。
まるで私たち鬼がりを歓迎しているかのように……。
*作者より*
三重マスクして窒息死しかけた庵原史穂です。
本日の更新はここまでとさせていただきます。
なかなか良いアイディアが思い浮かばず……。
申し訳ございません。
これからも精進して参りますので何卒、この作品を見守ってくださると嬉しいです。
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庵原史穂(プロフ) - 西村莉唯(りあ)さん» 西村莉唯様、温かいお言葉ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも精進して参りますのでよろしくお願い致します♪ (2022年3月6日 17時) (レス) id: 0038db6d5e (このIDを非表示/違反報告)
西村莉唯(りあ)(プロフ) - 更新したら私即見ます!なので頑張ってください! (2022年3月6日 16時) (レス) id: 929c6fdeb8 (このIDを非表示/違反報告)
庵原史穂(プロフ) - 夏美さん» ありがとうございます! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 0d9f41f564 (このIDを非表示/違反報告)
夏美(プロフ) - 更新頑張ってください! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 5adf9ec04a (このIDを非表示/違反報告)
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