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第十六話 傷男との再会 巫兎視点 ページ19

私が初任務を終えて師匠の家に帰ると、客人でもきているのだろうか家の中から話し声がした。
不思議に思いながらも家に入ると、そこには意外な人物がいた。

「よぉ、巫兎お帰りなさい。
 初任務はどうだったかい? 」
「無事終わりました。
 そして、ご無沙汰しております、不死川さん」

 あの日、鬼殺隊について教えてくれた傷男“不死川実弥”が来ていた。
あの日から傷跡はさらに増え、彼がどれだけ鬼と戦ってきたかを彷彿させていた。
その姿に、私は素直にすごいなと思った。

「あぁ。
 どうやら、無事最終選別を通過したみたいだな」
「えぇ、お陰様で」
「「……」」
「はぁ、二人とも久々に会ったのにどうしてそうなるんじゃ?
 もっと話すことあるだろうに」

 久々だから話すことがないのよ。
それに不死川さん、私の近況報告なんて興味持たないでしょ。

「んじゃ、師匠。
 俺はこれで失礼します」
「おいおい、ちょっと待て。
 実弥、いい機会だ、継子を持ったらどうだ? 」
「あぁぁん!? 」
「柱になってだいぶ経っただろ、そろそろ持ってもいい時期だ」
「俺の前から柱になってる悲鳴嶼さんですら持ってねぇぞ?
 今いるのは胡蝶だけだ」
「強い若手を育てるのも柱の仕事じゃぞ」
「それは育手と若手本人がやることだ! 」
「実弥、育手は引退した隊士がやってるんだ。
 十二鬼月と渡り合えるように育てるのは無理がある。
 それに、自力で強くなれる奴はほんの一握りだ」
「師匠が言いたいことはわかったが、柱の訓練について来れるやつはいるのか? 」
「ん? ここにいるだろ、なぁ巫兎? 」
「「はぁ!? 」

 自分には関係ないことだと上の空で聞いていたら、
突然自分の名前が出てきたので驚いた。

「師匠、今なんと? 」
「巫兎が実弥の継子になるんだよ」
「え? 」
「おい、俺の許可なく話を進めんな! 」
「そうですよ、師匠」
「でも巫兎、もっと強くなりたいんだろ?」
「まぁ」
「最近の隊士が弱すぎてイライラしてるんだろ、実弥? 」
「確かにそうだが……」
「それじゃ、巫兎が1週間実弥の稽古に耐えられたら継子として認める。
 これでいいか? 」
「それなら、まぁ良いが……」
「よし、決まりだ!
 お前さんが約束破らんよう、お館様にも知らせるからな」
「ゲッ! 余計なことするな! 」

 え、私の意思は? 拒否権ないの?
嘘でしょ……。

 こうして、本人たちの意思に関係なく、
師匠に振り回される形で私の継子承認試験が決まってしまった。
 

第十七話 不死川実弥・前編 巫兎視点→←第十五話 紅のオオカミ・後編 巫兎視点



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庵原史穂(プロフ) - 西村莉唯(りあ)さん» 西村莉唯様、温かいお言葉ありがとうございます。ご期待に添えるようこれからも精進して参りますのでよろしくお願い致します♪ (2022年3月6日 17時) (レス) id: 0038db6d5e (このIDを非表示/違反報告)
西村莉唯(りあ)(プロフ) - 更新したら私即見ます!なので頑張ってください! (2022年3月6日 16時) (レス) id: 929c6fdeb8 (このIDを非表示/違反報告)
庵原史穂(プロフ) - 夏美さん» ありがとうございます! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 0d9f41f564 (このIDを非表示/違反報告)
夏美(プロフ) - 更新頑張ってください! (2022年2月19日 22時) (レス) id: 5adf9ec04a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:庵原史穂 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年12月22日 21時

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