爆裂ワガママお嬢様が前世を思い出したら (ページ9)

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「どうしても今日、彼に会いたいの。
5分でも、いえ2分でも良い、2人で話す時間を頂戴と伝えてくださ、る？
勿論、どうしても都合が合わなければ明日また伺い……ましてよ。」

お嬢様口調ってこんな感じで良いんだよね？

ちょっと不安になってきた。

現に梓さんもだいぶ混乱した顔してるし。

すまねえ。本当にすまねえ。

梓さんは挙動不審ながらも「伝えます」と了承してくれた。

私はそのことに安堵して、ありがとう、と息をつく。

「……あ、アイスティーを頂ける？
それからこちらのパンケーキも。」

「！？か、かしこまりました！」

なんでこんなにビビられるようなことしちゃってんだよ私ィ。

心が痛い……私の心が泣いている……

傷心の私がテーブル席に座ると、コナンくんがとてとてとこちらに歩いてきた。

うわちっちゃッ！！

「ねえねえ、篠崎さん。」

「(声可愛いーーーあぁーーー…)っ、何かしら？」

「安室さんにどんな用事？」

ああ、こんな可愛い顔をして、その知性の光る目は探偵のそれだ。

このギャップが良い……

けど可愛いことには変わらないから、いつか狼に食べられちゃうぞ……

私はコナンくんに笑いかけて、秘密ですわ、とはぐらかした。

こんなの、誰にでもする話じゃないしね。

まあこう言ってもこの子は後で安室さん本人に尋ねるんだろうけど……

そういえばコナンくんは安室さんの連絡先知ってんのかな。

知ってるのだとしたら羨ましい。

ていうか仮にも恋人同士なのに互いの連絡先知らないってすごいな。

きっと安室さん、私の教えて攻撃を上手くかわしてたんだろうなあ。

まったく思い出せないけど。

私の返答を聞いて、コナンくんはちょっと目を見開いた。

……答えをくれなかったのがそんなに意外なのかな。

まあ、この愛らしい少年に尋ねられれば、誰でも全てを答えたくなるだろうけど。

私は前世で耐性がついてるからな！ちょこっとだけ！

名探偵の驚き顔が見られてご満悦の私は、蘭ちゃんや園子様も私の方を見て驚いていたことに気づかず、ひとりパンケーキを堪能し始めた。