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あれ？
私は唐突に閃いた。
「私、この姿ならポアロ行けるんじゃない？」
Xデーまで残り三週間というタイミングで、私は今さら過ぎる思考に至った。
そうだよ！
「佐藤千佳子」としてならポアロに通っても全然嫌な顔されない！
そういえば私いまだにポアロ従業員やってる安室さん見たことないし、ようやくその御姿を拝むことが出来るのでは？
さらに何かしらのきっかけがあれば、蘭ちゃんや園子様とも親しくお話しできるかもしれない！
親しく！親しッ……、……佐藤千佳子は口調荒い設定だった……
そっそれでも篠崎お嬢様よりはワンチャンある…はず…
・
思い立ったが吉日。
その日の午後にポアロへ来店した私は、大天使梓さんに誠の笑顔で迎えられた。
ああ……！梓さんが私にちゃんとした笑顔を向けてくれてる……！
早くも涙腺崩壊しそうな私を、梓さんは訝る様子もなくテーブル席に案内した。
注文をしてから店内を見渡すけれど、安室さんの姿が見えない。
え、まさか今日休み…？いやそんなまさか…
平日の午後ということで、店内は結構空いている。
みんな学校やら仕事やらで汗水流している時間帯に店にいる奴らは何者だ…
と思ったけど、大学生とかは普通に来店するよね。
時間割自由だもんね。
そんなことを考えながらぼーっとしていると、カランッと来客を知らせる音が鳴る。
私は、出入り口の方へ何気なく視線を向けた。
そしてフリーズ。
お、お、沖矢昴…………………(落涙)
突然の沖矢昴(赤井秀一)襲来に心臓が止まりかけた。
せやな……お前も一応大学生……せやな…………
あまり彼を見ないようにしながら息を整える。
すげえ……私なんとなくあなたとは一生エンカウントできない気がしてたよ……
つーか安室さんやっぱり店にいないっぽいんだけど、沖矢昴もしかして安室さん居ないタイミング狙って来てる？マジ？
マジだったら私の中の
必死に落ち着こうとするが動悸・息切れがまったく収まらない。
まぶたを閉じるといろんな想像が脳内に溢れて全然落ち着かない。
これ逆に沖矢昴見れば頭ショートして何も考えられなくなるのでは……？
混乱しすぎて妙な結論に着地した私は、自然を装って沖矢昴の方を見た。
目が合った。
驚きすぎてスッと目をそらした。
沖矢昴なんで目を開いてるんだ……………
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作者名：しま | 作成日時：2018年4月22日 16時
