爆裂ワガママお嬢様が前世を思い出したら (ページ44)

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こちらに引っ越してから一ヶ月が過ぎた。

何というか…平和な日々だ。

コナン世界だというのに殺人事件に巻き込まれることもなく、日がな一日を過ごしている。

ここ最近は特に家にこもりきりだ。

そういえば私は働かなくて良いんだろうか……

父からはとにかくXデーまでは派手な行動は慎むようにとだけ言われているが…

派手な行動って何？道端で踊り狂うとか？言われなくてもやらんわ。

「この重要そうなディスクも、今のところ中身バグってるし…」

黒の組織に狙われる要因らしいこのディスク。

めちゃくちゃ中身が気になったので一度見てみようと思ったのだが、毎回ファイルを開くと強制終了がかかるので中身を見ることができない。

最初は「これ壊れてる？私壊した？」と不安になったが、データが破損している様子はないので、例のXデーとやらが来たら開けるようになるんじゃないかな…と若干投げやりな心持ちで現在を過ごしている。

「ひーまーだーなー」

日当たりの良い部屋でばたばたと足を動かしていると、だんだん眠くなってくる。

そしてその眠気に抗うことなく身を委ね、いつの間にか寝てしまうのが最近の習慣である。

・

そうやって眠ると、見てしまうのがこの夢だ。

『また徹夜ですか？』

薄暗い部屋の中で、毎回私はカタカタとパソコンに何かを打ち込んでいる。

そうして過ごしていると決まって声をかけてくるのが、この男。

我らが安室透～～～Fooooooo！

…と、私自身は叫んでいるつもりなのだが、夢の中の私は何も言わない。

というかたぶん何かしら話してるんだと思うけど、この夢、私自身の顔も見れなければ声も聞こえないんだよね。

キーボードの音とか安室さんの声はちゃんと聞こえてるのに……

あ、間違えた。

『あなたが倒れたら、誰があの膨大なデータを管理するんです？……聞いてますか、メルロー。』

この顔は安室さんじゃなくて、バーボンだな。