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パーティーの翌日。
私は自室をひっくり返す勢いで、部屋の中を探り回していた。
それもこれも、昨日になって発覚した「予定」のせいである。
私はどうやら、だいぶ前から篠崎家を出て行くことが決まっていたらしい。
出て行くと言っても、勘当される訳ではないし誰かに引き取られる訳でもない。
あくまで「例の件」を遂行するために必要なことのようだ。
父との会話や彼の態度を見る限りでは。
そして今は、パパさんに「『アレ』を持って出発するように」と念を押されたので、『アレ』を絶賛捜索中である。
「たぶん何かしらの『物』だとは思うんだけど…」
『アレ』について、私は何ひとつ覚えがない。
しかし推察するに、『アレ』とは本とか鍵とか薬とかみたいな、持ち運び可能な『物体』であろう。
そしておそらくは黒の組織の手に渡ってはいけない代物。
それが私の手元にある、というようなことをパパさんは言っていた。
・
しかしまあ、この部屋の探索って地味に精神にくる。
部屋を掘り起こせど掘り起こせどドピンクの下着！小物！ワンピ！辺りしか出てこない。
この部屋基本的にピンクいんだよおベッドもカーテンもクローゼットもカーペットも何もかも。
目が痛いし心も痛い。
前世で過ごしたボロアパートが恋しい…
クリーム色が剥げて灰色が見え隠れする壁に、くすんだ色の畳…わびさび…そう日本人の情緒…
いろいろとキャパオーバーして発狂しかけていると、不意に指に何かが引っかかる感触を覚えた。
ハッと我に返って下を見ると、めくれたカーペットの下に小さなくぼみを発見した。
くぼみに指を引っ掛けて前後左右に動かすと、ぱかりと正方形型に床が外れ、その下には小さな黒い箱が置かれている。
「うおお…コナンっぽい…(？)」
謎の感想とともに黒い箱を取り出す。
箱には鍵がかかっていた。
8桁のダイヤル錠だ。
「8桁か。長いなあ……まあ適当に合わせてみるか。」
とりあえず手当たり次第に行ってみよう。
まずは前世の私の
開きました解散。
「どれどれ。」
箱の中に入っていたのは、……ディスク？
『アレ』ってこのディスクのことかな。
わりと厳重に保存してあったし。
……数秒でロック解除しちゃったけど。
とにかく今日の夜あたり、父に確認を入れてみよう。
私はひとまずの達成感から大きく息を吐き出した。
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作者名：しま | 作成日時：2018年4月22日 16時
