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ハニトラ。
ハニートラップ。
お色気攻撃…………
正直ありがとうございますと言いたい。
でもそれ以上に、勘弁してくださいと言いたい。
私は好きな人に触れられると赤くなるどころか極度の緊張で指先から冷えていくタイプだ。
だから私相手にハニトラ仕掛けるのは完全に下策なのである。
安室くんのドジっ子〜〜!
でも待ってよく考えて安室透が自らの意思で私に触れてるこの状況マジ役得が過ぎるからやっぱり離れがたい気も––––––––
「目をそらさないで。」
安室さんのもう片方の手がゆるりと持ち上げられる。
その手が、指先が、私の頬をつつ、と撫でた。
ぴッ………………(瀕死)
凶器:あむろしゃんのゆび
普通に恋に落ちるじゃんなにこれ…
さっきハニトラは下策ってキメ顔で言ったばかりなのに…
当然のようにほっぺた熱い、心臓がバクバクうるさい、目もぐるぐる回りそう。
これが……安室透の本気……(戦慄)
でもなんで私いきなりハニトラ仕掛けられてるんだ?
もしかしてマジでパパさんが言ってた「例の件」とか「アレ」とかを探りに来たのか?
探られても私はなにも覚えてないから情報を巻き上げられる心配はないけど…
(でもこの状況は心臓に悪すぎる…)
早めに切り上げてもらわねば…
あとこの現場を父に見られたら確実に一悶着ある。
それは面倒なので避けたい。
よし!
私は恥を忍んで腕を持ち上げ、指先で安室さんの髪をさらりと梳いた。
ひょわーーー髪さらっさらだやっべ
「積極的なのね…素敵よ。また、あなたのことが欲しくなってしまうわ。」
どうだァ!?
これ以上ハニトラ仕掛けてくるとお嬢様が調子乗ってお前を再び束縛するぞ!
あの苦しみの日々が戻ってくるぞ安室透!!
それでも良いのか!?
そう脅しをかけるつもりで彼を挑発したのだが、安室さんは一瞬の間を置いた後、フッと笑う。
次の瞬間、腰に回されていた腕にぐっと力が入り、私の体は安室さんの方へとさらに引き寄せられた。
「あなたが、それを望むなら。」
お前!!ノッてくるな!!
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作者名:しま | 作成日時:2018年4月22日 16時