爆裂ワガママお嬢様が前世を思い出したら (ページ31)

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「蘭ちゃんてマジ尊すぎやしないか？」

「いきなりどうしたのAさん。」

私は今パーティー会場の一角で、用意された椅子に腰掛け両手で顔を覆っていた。

私の呟きを拾ったコナンくんが怪訝な顔をしている。

私の近くには今回の事件の容疑者たち4名が、警察の指示に従って同じく椅子に座っている。

蘭ちゃんや園子様は容疑者候補から外れているので、少し離れたところで小五郎さんと一緒にいる。

ちなみにコナンくんを除く少年探偵団は阿笠博士に連れられてホールから退出していた。

「何だよ、こんなことコナンくんだって知ってるでしょ？蘭ちゃん可愛いなって思うでしょぉ？」

「べ、別に蘭姉ちゃんはそんなんじゃ…」

「そうか～？じゃあ君の好きな子は灰原さんか？それとも歩美ちゃんか？」

「なんでそういう話になるの！？」

もう、僕事件の捜査で忙しいんだよ！

そう言ってツーンとそっぽを向いてしまうコナンくん。

目尻が赤くなっているのが見えて、可愛さのあまりテーブルに頭を打ちつけそうになるのを全力で耐えた。

「それよりAさん！アンタ今殺人の疑いがかかってるんだぞ！ちょっとは焦ったりしないのっ？」

私に弄られたのが気に食わないのか、コナンくんが逆ギレ気味に私を指差した。

そりゃあ勿論良い気分はしないけど。

でも必ずコナンくんが解決してくれるしなあ。

そういった信頼の意を込めて、私は無言でコナンくんの頭を撫で回した。

コナンくんは怒りだか羞恥だかで顔を真っ赤にしながら「やめてってば！」とじたばたする。

こういう可愛い姿を見てると、この子が高校生だってこと忘れそうになるな～

威嚇する猫のような態度のコナンくんに癒されながら頭なでなでを継続していた私のそばで、不意にカツンという硬質な靴音が聞こえた。

「なんだか楽しそうですね？」

なでなでの手がピシリと固まった。

声がした方へ、ギギギと不自然な動作で顔を向ける。

向けた先では、フォーマルスタイルの安室透がニコリと笑ってこちらを見下ろしていた。