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『アレ』って一体なんなんだ…
ウンウン悩みながら過ごしていたせいで、私は失念していた。
ここが、名探偵コナンの世界であるということを。
・
殺人事件が発生しました。
すっかり忘れてた…
パーティーという単語にコナンくんが関わった時点で、もう事件に巻き込まれることは確定していたんだ…
しかも第一発見者っていう特典付きな。
「被害者は××××さん52歳。ホテル経営者で独身。縄状のもので絞殺されたようです。」
「第一発見者は篠崎Aさん、」と高木刑事が言ったところで、視界の端で三つくらいの頭がびくんと揺れたのが見えた。
ですよね。勿論毛利探偵一派も操作に加わりますよね。
突き刺さる視線に耐えきれず崩れ落ちそうになる膝を叱咤しながら、私は顔を上げ続けた。
「遺体発見時のことを伺ってもよろしいですか？」
「え、ええ…ご遺体を見つけたのはこのホテルの廊下で、ちょうどホールとエントランスの中間あたりでしたわ。」
「あなたはそのとき、どうして廊下へ？」
「お手洗いに…ホール内にはありませんので。」
「他に何か気づいたことは？例えば、立ち去る人影を見たとか…」
「いえ、何も…」
高木刑事と目暮警部から代わる代わる繰り出される質問に答えながら、ちらりと遺体を盗み見る。
遺体近くにはこそこそと遺体を調べるコナンくんの後ろ姿があった。
(まあ、コナンくんに任せれば万事解決だよね。)
自分も容疑者の候補に上がってはいるけれど、コナンくんも安室さんもいるのだからそこは心配していない。
それよりも初めて直に目にした死体に、予想外にショックを受けてしまっていた。
だってうつ伏せに倒れてて血を流してる様子もなかったのに、いざ起こしてみたら目が見開かれて四肢もだらんとしてまるで動かなかったんだぞ。
普通にショックだった。
「篠崎さん、大丈夫ですか…？」
だいぶ顔が青ざめている私を心配してか、女性が声をかけてくれた。
女性が。
……女性？
ら ん ち ゃ ん だ
「えっ女神…？」
「えっ？」
「いえ大丈夫ですわ…ごめんなさいね…」
「へ！？あ、いえ！無理はなさらないでくださいね…？」
ら゛ん゛ち゛ゃ゛ん゛ ！ ！ (泣)
なんで！？エンジェルマジエンジェルなんで！？
なんで声かけてくれたの良い人すぎやしないか…………
蘭ちゃんのおかげで辛さが少し吹き飛んだ。
ありがとう…ありがとう蘭ちゃん…
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作者名：しま | 作成日時：2018年4月22日 16時
