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(コナン視点)





「NOC……!」




俺は驚きに目を見開いた。




NOC(ノン・オフィシャル・カバー)、通称NOC(ノック)


民間人を装って他国に潜入し活動している、秘密諜報員のことだ。


水無怜奈や安室透、かつての赤井秀一などがそれに当たる。




「メルローは組織中枢に潜り込み、ボスの信頼を勝ち取って、まんまと情報を盗みおおせた切れ者よ。彼女がNOCであったと発覚したのも、彼女が人知れず組織を抜け出してから2日経った後のこと…」

「なら、その情報があれば組織を潰すことができるんじゃ…!」




さらにAPTX4869の薬のデータがあれば、解毒剤の完成も夢じゃない。


つまり、俺は工藤新一の姿に戻ることができるかもしれない!




俺が興奮のあまり身を乗り出すと、灰原はひとつため息をついて、シッシッと虫を払うような素振りをして見せた。




「そう簡単にはいかないわ。本当に重要な情報群だから、記憶媒体にはふんだんにトラップを仕掛けてあったはずよ。それこそ、幻と呼ばれたコンピューターウイルス・闇の男爵(ナイトバロン)を始めとした、名だたるウイルスの数々がね…」




灰原はそう締めくくり、「で?」と首を傾げた。




「何故あなたがメルローの名を知っているの?彼女が組織を出し抜き、逃亡したのは少なくとも1年は前のことよ。」

「…安室さんが、メルローに関する案件で動いているらしい。勿論バーボンとしてな。それに…別の会場にはベルモットも。」

「……見事に諜報を得意とするメンバーね。とすると彼らがパーティーに参加するのは、メルローの足取りを掴むためかしら。」

「だろうな。パーティーには実に多種多様な人間が参加する。その上人の口に戸は立てられない…情報を集めるには格好の場だ。」




この様子じゃあ、表・裏を問わないパーティー会場以外にも、情報の行き交う場には一通り組織の一員が派遣されていると見て良いだろう。


しかし…




「何故一年経った今になって、メルローの追跡が激化するんだ?」




俺の独り言のような疑問に、灰原は一瞬考え込む様子を見せたが––––「まさかね、」と呟くと、元太たちの方へと行ってしまった。

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作者名:しま | 作成日時:2018年4月22日 16時

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