爆裂ワガママお嬢様が前世を思い出したら (ページ26)

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(コナン視点)

「だめじゃないコナンくん！コナンくんも知ってるでしょう、篠崎さんは怖い人なんだから…」

「我が鈴木財閥には劣るとはいえ、あの篠崎大和氏の娘なのよ？怒らせたらガキンチョなんてぷちっと潰されちゃうんだから。」

「ハハ…ごめんなさーい…」

さすがは暴虐武人な振る舞いに定評のある篠崎Aお嬢様(笑)。

蘭と園子からもしっかりと低評価を頂いていてなんていうかもう笑う。

篠崎さんはこちらに関わる気は無いようで知らんぷりを決め込もうとしていたが、そうはいかない。

せっかく脅すネタを持っているのだ。

このネタで篠崎さんを弄り倒さなければ勿体ない。

このパーティ中にもう一、二度くらいは突撃しよう。

そう心に誓って篠崎さんの様子を伺うと、今は父親の大和さんと何か話している最中らしかった。

「彼女、何かあるのかい？」

篠崎親子に視線を向ける俺に声をかけて来たのは、かつてのお嬢様に散々苦しめられた安室透だった。

今回の安室さんのパーティー出席は、珍しく彼が園子の誘いを断らなかったことで成り立っている。

「んーん。それより、そっちこそどうしたの？
安室さん、こういう場にはあまり来たがらないじゃない。」

「ああ…」

安室さんは少しだけ言い澱んだが、壁にとんと背をつけて腕を組むと、事情を語ってくれた。

「実は、例の組織からの命令でね。」

そして予想外の返答に、俺は思わず息を飲む。

周囲に誰も聞き耳を立てる者がないと確認してから、安室さんに一歩近づいた。

「それ、どういうこと。まさか奴らもこのパーティーに、」

「いや、それはない。唯一出席の可能性があるとしたらベルモットだが…奴も今、僕と同じ命令を受けて他のパーティー会場を当たっているから、この場にはいない。」

「どんな命令なの？」

安室さんは少しだけ険しい顔をして、

メルロー、と一言告げた。

「メ、ルロー…」

「僕が言えるのはここまでだ。なにせ、今組織が何よりも優先している案件に関わる人物だからね。」

安室さんはそれだけ言うともう俺に語る気はないと言いたげに、組んでいた腕を解き壁から背を離した。