爆裂ワガママお嬢様が前世を思い出したら (ページ20)

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(コナン視点)

何やらグロッキーになってテーブルに突っ伏している篠崎さんを横目に、俺はサクサクとレモンパイを食べ進める。

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俺は今回、篠崎さんの変貌の真相を探るべくこうして彼女に接触を図った。

彼女の邸宅に突撃する訳にもいかず、もうポアロにやって来ることもなくなったため、どうやって会おうと悩んでいたときのことだ。

昨日元太たちが隣町に仮面ヤイバーショウを見に行った帰りに、篠崎さんと思しき女性と出会ったらしい。

元太たちの語る女性像と篠崎Aという人物はそうそう結びつくものではなかったが、外見の特徴が一致していたため藁にもすがる思いでやって来たのだ。

元太たちと篠崎A(仮)が出会ったという、杯戸公園に。

ちなみに元太たちは主に灰原の努力のおかげで、以前までの篠崎Aとの接触はない。

灰原いわく、「あんな女を見続けたらこの子達の精神が歪む」とのことだ。

あいつは縮んでから妙に母性に目覚めている気がする。

杯戸公園にやってきた俺は、自分の目を疑った。

……この眼鏡、今まで度が入っていなかったけど、この機会に入れてもらおうかな……

そんなことを考え出すくらいには混乱していた。

「ちょ、イタッ」

「やめやめやめ」

「うおお靴を踏むな」

「お客様私の髪は電車のつり革ではありません」

「私のホクロは停車ボタンではありません！」

園児たちが篠崎さんらしき女性に隊列を組んで一斉に突撃している。

園児たちは狂ったように篠崎さんの周りを駆けずりながら「プォップオ！！」とか「緊急停車ァ！！」だとか叫んでいる。

何あれ怖い。

篠崎さんは完全に怯えきっていた。

傍目で見てる俺だって怖いんだから当事者はもっと訳が分からないだろう。

ちょっとだけ同情した。

同情したけど録画はした。

やっとの事で園児たちから解放された篠崎さんは、平謝りする先生方を笑顔でなだめながらだくだくと汗を流している。

こんなに心が広い篠崎さん見たことない。

今も一部の園児に髪を引っ張られ指をぐにぐにされているのに怒ることもなく好きにさせている。

誰だこの人？？

別人か。さすがにこれは別人だよな。

とってもよく似た別人だ。

俺がそう結論づけようとしたそのとき、篠崎さんらしき女性がふとこちらを見た。

絶望顔になった。

あ、この人篠崎さんだわ。

俺は前言撤回した。