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私って子どもに好かれる体質なのかな?




公園で園児にカバディされている私は遠い目をしながらそう思った。









昨日探索しきれなかった杯戸町を散策し終えた私は、米花町に戻る前に杯戸公園で休憩していた。




そう、このお嬢様、驚くほどに体力がないのである。


今までお車での送迎がデフォだったみたいだから当然といえば当然か。


運動しないのになんで太らないんだよ(憤怒)


正直自分自身に殺意が湧いた。




ともかくそういった体力の都合で公園のベンチに腰掛けていた。


すると近所の幼稚園が遠足でもしているのか、先生に手を引かれた園児たちが公園にやってきた。


園児たちは砂場や滑り台に直行し、シーソーをガタゴト揺らし、ブランコの取り合いを始める。


微笑ましい光景に思わずほっこりしていると、園児たちの一部が私のもとへと駆け寄ってきた。




「…どうしたのかな?」




努めて笑顔で話しかけると、それまで無表情だった園児たちは突然奇声を発した。




「ブシューーー!」

「ガタンゴトン!!」

「プォーーーーー!!!」

「ひえっ……」




で、電車ごっこ?




いきなり発進した様子の電車ごっこに動揺して私がベンチから立ち上がると、園児たちはすかさず私を取り囲みぐるぐると回り始めた。


ひいいい怖いよおおお何これなんの儀式?電車ごっこ?レベル高すぎだよお…




引率の先生たちもめちゃくちゃ動揺しながら園児たちを止めようとしていた。


園児たちはそれを気にすることなく私に突撃してくる。


あーっ!お客様!人身事故は困ります!轢かないでくださいお客様!困りますアーッ!


というかやめろ!私は公園の利用客であって遊具じゃねえ!




私は子どもの好むフェロモンでも出しているのだろうか、普段は良い子達であるらしい園児たちにカバディされながら頭を抱える。


「ちょ、イタッ」「やめやめやめ」「うおお靴を踏むな」「お客様私の髪は電車のつり革ではありません」「私のホクロは停車ボタンではありません!」


園児たちに言い聞かせるようにして心の叫びを口に出すと、園児たちはフンスッと満足したらしく、ようやく私から離れてくれた。


やれやれだ……ぜ……




……!?





園児たちから解放され、先生たちにしこたま頭を下げられながらもヘラヘラ笑う私は、顔を上げて公園の入り口を見たとき、絶望した。




何故か江戸川様が、怪獣を見る目で私をご覧になっていたのである。

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作者名:しま | 作成日時:2018年4月22日 16時

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