爆裂ワガママお嬢様が前世を思い出したら (ページ15)

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「おねーさん、どうしたの？」

砂場に膝をつくお姉様が珍しかったのか、幼い声が私へと降り注ぐ。

その愛らしい少女の声に続いて「大丈夫ですか？」「腹減ってんのか？」という男の子の声も聞こえた。

何だか聞き覚えがあるなあと思いつつ顔を上げると、何ということでしょう。

少年探偵団(コナンと灰原除く)が心配そうにこちらを見ているではありませんか。

どっと変な汗が出てきました。

「な……なんでもありませんわ。
ええ、ちょっとめまいがしただけで……」

「寝不足なんじゃあないですか？」

「そうかしらね、そうかもしれないわね……」

このお嬢様の睡眠事情なんぞ覚えてないけど…

私の顔色を確認する円谷光彦氏。

お前は本当に小学生か。

昔の君、具体的に言うと名探偵コナン連載当初の君は何というか、ひねくれた小物みたいでまだ小学生然としてたのに。

というか私、ポアロに通ってたんならこの子達にも遭遇してんじゃないの…？

だったらこの子達も、安室さんの笑顔を曇らせる私という女を知ってるはずだけど。

それなのに普通に心配してくれるとかなんなのこの歳で菩薩？如来？

それとも灰原さんあたりが「教育に悪い」という理由で私から探偵団を遠ざけたりしてくれたのだろうか。

ありがとう灰原さん。

私の心の傷に塩を塗り込みつつ探偵団の清い心を守るあなたは正しく少年探偵団(プラス阿笠博士)の母です。

しかし私のこと知らないんだったら、私この口調やる意味なかったじゃん。

どうするんだよ彼らからの第一印象が確定的に「イタイ奴」だよ。

あ、でもこの子達神の使いだしな…と現実逃避していると、元太くんのお腹が盛大に鳴る。

「もお！元太くんったら！」

「だってよー、もうお昼だろ？」

「…あはは、お腹空いてるんだったらお昼奢ろうか。
心配してくれたお礼に。」

「え！良いのかよねーちゃん！」

「ほんとー！？」

「ありがたいですけど…さっきと口調変わってませんか？」

「気のせいダヨォ」

現実に引き戻してくれたお礼も込めて、私は笑って砂場から立ち上がった。