爆裂ワガママお嬢様が前世を思い出したら (ページ14)

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安室さんと涙のお別れをした翌日、私はさっそく米花町の探索に乗り出していた。

とは言ってもそこそこ思い出せてきているので、ほとんど記憶とのすり合わせ作業だ。

とりあえず5丁目には絶対に行かない。

米花町5丁目といえば、毛利探偵事務所や喫茶店ポアロがある、コナンファン垂涎の聖地。

探偵事務所は昨日ポアロった(※ポアロで飲食するの意)ときに心のカメラでパシャったので満足である。

・

米花町の探索を終えて、お次は隣町の杯戸町。

隣町だからと侮るなかれ。

ここは米花町にも劣らぬ事件発生率を誇る町である。

ていうか実際米花町よりも事件起こってんじゃないかな…

コナンくん達はよく県外にもお出かけしてるし、小五郎さんも県境を飛び越え依頼を遂行している。

決して全ての依頼を米花町で捌いている訳ではない。

あれ？米花町ってそんなに危険じゃない？

……いやいや。

そういえば原作でコナンくんと服部平次が

『俺は今月6件や…お前は？』

『俺は7件解決したぜ…』

という会話をしていたことがある。

勿論事件解決数のお話である。

……いやいや、サバ読みすぎだろ？

…………いやいや。

・

今さらながら考えてみると、よく私この性格で今まで生きてこられたな。

誰ぞの恨みを買ったら即さよならバイバイするような世界なのに、なんで私殺されてないんだろう。

絶対にいろんな恨み買ってるのに。

私の周りにいる人が軒並み大天使なのか、はたまた私の見事な公害っぷりにみな近寄りたがらないのか。

後者だったら…うん…みんなの判断は正しいよ…

家族もまた私と同じ外道であったなら、私の一家は今頃孤島の別荘かどこかですべからく不審死を遂げていただろう。

そしてコナンくんや服部平次によって謎は解き明かされることであろう。

やだ事件。

でも幸いなことに、私の親や兄弟は何の罪もない善良なエリート達だ。

私というワガママお嬢様にゲロ甘だという事実さえなければ。

とにかくこの世界に転生したのであれば、私も晴れてコナンワールドの住人である。

つまり殺されるフラグも一般市民以上にビンビンに立っている。

気を引き締めていこう。

……たぶん私が今すぐにでも殺されるようなことがあれば、犯人の有力候補としてあむぴっぴの名前が上がる。

怨恨という殺害動機が十分にあるからだ。

だめだ……それだけはだめだ……

私は杯戸公園の砂場に力なく膝をついた。