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(コナン視点)
「別れた！？」
上記のセリフは俺と蘭、園子、そして梓さんの四十奏だった。
ちなみにこの後、灰原や博士も合奏に加わることになるが完全に余談である。
「彼女と別れた」と報告した安室さんは、憑き物が取れたような晴れ晴れとした笑顔だ。
蘭と梓さんは涙ぐみ、園子はガッツポーズを決めている。
その日のポアロは祝賀パーティの会場となった。
・
しかし、どうにも疑問が残る。
先程までは安室さんの苦行が終わったことを喜びすぎて忘れていたが、そもそもあの女が簡単に安室さんを手放すとは思えなかった。
安室さんに別れを切り出された顛末を尋ねると、安室さんは軽く経緯を話してくれた。
曰く、お偉方の子息息女同士のお見合いが発生したため関係の解消を余儀なくされたこと。
何ともまあ「ありえそう」な話だった。
しかし女の親は良い人であるものの親馬鹿で、娘の嫌がることをする人には思えなかった。
それを安室さんに話すと、彼も「僕もそこが引っかかって……」と顎に手を添える。
思い出すことも憚られるような相手だったとはいえ、俺たちはともに探偵。
相手の妙な言動に首を傾げてしまう。
「篠崎さんの性格なら、恋人の存在を隠してお見合いに臨むくらいやりそうだけど……」
「……そういえば一昨日のお出かけで、さらっと名字で呼ばれたよ。」
「え？彼女、安室さんのこと名前で呼んでなかった？」
「うん。僕が『篠崎さん』って呼んでも全く訂正しなかったし。」
「今まで速攻で『名前で呼んで』って返されてたのに？」
違和感が脳内を駆け巡る。
……そういえば、まだ何か、見落としていることがある気がする。
普段の彼女では絶対にありえない行動。
……あ！
「安室さん、昨日彼女が来店したときの違和感の話はしたよね？」
「え？ああ、妙に寛容で、注文までして去っていったって話だろ？」
「うん、そのとき僕、彼女に『安室さんに何の用』って聞いたんだけど……」
「笑って『秘密』って言われたんだ。
……あの人が、自分の意思に関係なく恋人と別れなきゃいけないっていう場面で、取り乱すことなく笑えると思う？」
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作者名：しま | 作成日時：2018年4月22日 16時
