白亜の翼は暁天を抱く～ブラッククローバー (ページ6)

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第６１羽ページ6

Aの通された団長室は、日当たりがよく広々としていて、豪奢な家具が綺麗に配置されていた

Aが来る前に淹れたのか、紅茶のベルガモットの香りがほんのり香っていた

そんな部屋の中央で、二人は

ウィリ「書簡、確かに受け取ったよ
ありがとうA」

貴「いえ！お役に立てたなら！

それで、その……

い、いつまでこの姿勢なんでしょうか…ね…？////」

団長室の一角に、簡易の応接間として
ソファーと足の短い机が置かれていた

その柔らかい深紅のソファーに座るウィリアムの……

膝の上にAは座らされていたのだ

しかも、その張本人はAをしっかりホールドしている。

ウィリ「ん？何か問題でも？」

貴「大有りです！////」

ウィリアムとAは、かなりの身長差がある。

だから、ウィリアムの膝の上に座っていても
Aの頭はウィリアムの胸元程度しかない

ウィリ「久しぶりに会えて、嬉しくてね

ホントは任務以外で会いに来て欲しかったんだけど」

そう言って、さらに抱き締める腕の力を強めるウィリアム

男性経験の乏しすぎるAには、いささか刺激が強すぎたようで、Aはショート寸前だ

ここで、なんとか自分への関心をずらそうと
Aは、例の話題を持ちかけようとした

それが逆効果になることを知らずに……

貴「あ、あの～ちょっと聞きたいことがあるんですが…」

ウィリ「物知りのAが聞きたいことだって？
僕に答えられることならいいんだけど」

上機嫌なウィリアムに促され、Aは口を開き、

貴「恋人を作るには、どうすればいいのでしょうか！！」

大型爆弾を投下いや……大型地雷の上に思い切りダイブした

………………

貴「あ、あのぅ～？」

今までの温和で優雅な雰囲気が、一気に引っ込み、代わりに背後から何やら不穏な気配

ウィリアムを体現するように、
燦々としていた太陽が厚い雲に閉ざされ、
部屋が暗くなる

ウィリ「……Aは、好きな人がいるのかな？」

貴「えっ、」

Aはとっさに、天使団の"愛する"団員たちや、黒の暴牛のメンバーを思い浮かべた

もちろん、この場の"好きな人"とは恋愛としての好きであり前記の彼らは該当しないのだが……

貴「はいっ！」

笑顔で自らの墓を作りにいくAであった

優秀過ぎる頭脳は戦略などにおいてのみ発揮され

その他、空気の読み方等々のスキルは
完全にポンコツだったーー