第２４片 ページ26
「「………」」
沈黙が降り立った。
俺は今、銀翼の大鷲団のローブの中でAを抱えている状況だ。
ボリュームのあるローブとはいえ、流石に服の盛り上がり方が普通じゃねぇ。なんせ肩幅が２倍になってる。
元凶であるAはと言えば、冷や汗をかいてる俺を他所にすやすやと寝息を立てているのが憎らしい。
ノゼル兄様がどんどん怪訝そうな顔をするので俺は苦し紛れに口を開き、
「あ、厚着です」
嘘下手過ぎるだろ俺！！！
ミスった、完全に。
だが、ノゼル兄様の反応は予想外だった。
「そうか、風邪には気を付けることだ」
「え……？」
ノゼル兄様はポカンとする俺の横を通り過ぎて行った。
本当に気付かれなかったのか、見逃してくれたのか……どちらにしても恐ろしいが。
また人に会わないとも限らない。
俺はかつてないほど注意を払い自室に向かった。
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
キィ、パタンーーーガチャン
やっとのことで自室につき、俺は長く息を吐いた
鍵も閉めたし、もう大丈夫だろう
思い出したようにローブを脱ぎ捨て、未だに眠っているAを俺のベッドに下ろした。
任務と諸々の疲れから、俺もAの隣に倒れこんだ。整えられたベッドが、ボフッと音を立てて、俺とAが沈んでいく。
キングサイズのベッドは、Aと俺が横になっても十分スペースがある。
俺はAを抱き寄せ、ローブを脱がしてやった。(違う、変なことは一切してない)
別にくっついて寝てるのも俺が動くのが面倒なだけだ！！俺は王族だぞ！？こんな女に……
「……無防備に寝やがって」
任務の時よりも、頼りなく小柄に見えるA。
気付けば俺はAの頬や髪に触れていた。
どこも肌触りがいい。
Aの髪留めを外してやると、艶のある髪がパサリと広がった。
サイドテーブルに髪留めを置き、灯りを消すとAの穏やかな寝息がいっそう近くに聞こえ、俺の眠気を誘った。
「おやすみ、明日目を覚まして精々驚けよ、A」
俺が言うと
答えるように、Aが俺の胸に顔を埋めた。
温もりを手放さないよう、しっかりと抱きしめ俺は目を閉じた。
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氷輪(プロフ) - しーさん» 鋼でしたね！すみません！訂正します！ご指摘ありがとうございます！ (2018年12月24日 9時) (
レス) id: 9e47dac2f9 (このIDを非表示/違反報告)
しー - クラウスのまほうは青銅ではなく鋼魔法です (2018年12月24日 7時) (レス) id: 05e026159a (このIDを非表示/違反報告)
氷輪(プロフ) - ツバサさん» ありがとうございます！！楽しみにしていただけて嬉しいです！！ソリド兄様になってますね（笑）ご指摘もありがたいです！訂正します！！ (2018年12月22日 23時) (レス) id: 9e47dac2f9 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - めっちゃ面白です！続きが楽しみです！あと、22話のソリド兄様に褒められたとありますがノゼル兄様ではないでしょうか？ (2018年12月22日 22時) (レス) id: 569f9ab0cc (このIDを非表示/違反報告)
な。 - 氷輪さん» こんな拙い文章にお返事の言葉、ありがとうございます。作者さまの他の作品も、楽しく心打たれながら読ませて頂いております！！好きです………ずっと神だと思っていた作者さまが推しのストーリー作ってくださったなんて感激すぎる。好き……愛が重くてすみません（笑） (2018年7月12日 22時) (レス) id: 87a58fa8a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷輪 | 作成日時：2018年5月19日 21時
