第２０片 ページ22
その後、魔法帝は外国での冒険の話や、今まで見てきた珍しい魔法など、胸が踊るような話をたくさん聞かせてくれた
紅茶のポットが空になる頃、楽しかった時間を惜しみながら、私、ソリド、クラウスは城を後にした。
「「……」」
私たちは、横に並んで歩く。
さっきまでは、あんなに話が弾んでいたのに、
今は誰一人口を開かない。
背後では、夕日の半分が地平線に消えていて、
辺りは透明な緋色の光に包まれている。
少しだけ、物寂しい気持ちになった
私はおもむろに、前を向いたままボソリと呼び掛けた
「……ねぇ、クラウス、ソリド」
「！！」
二人は、何だ と聞き返した
どうしてこんなことを言おうとしたのかは分からない。でも、伝えなきゃって思ったから
「私、またこの3人で任務してもいいかなって思うよ」
軽く息を呑む音が聞こえた後、次いでフッと笑う気配がした
「あぁ、私もだ」
「俺様が力を貸してやるんだ。有り難く思えよ」
「うん」
再度、静かな時間が流れた
でも気まずさは無く、穏やかな波にたゆたうような安心感があった
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
二人と別れて、私は今王都をブラブラしていた
王都なんて、滅多に行けるもんじゃないから皆にお土産でもと考えたのだ
ついでにお土産と称してお兄ちゃんと仲直りの品も買おうとか思ってる
紅茶やお菓子、食器にアクセサリー
１人ずつお土産を選んで、残りはヤミさんとバネッサの分を買うだけとなった
実は、もう目星はつけている
「ヤミさんとバネッサのお土産なら……
王都に店を構える老舗高級酒メーカーの扉を開いた
「いらっしゃいませ！」
中に入ると、老夫婦が笑顔で迎えてくれた。
夫婦で切り盛りするこのお店は、品数は多くないけど、一つ一つ丹精込めて作ってる感じがいい！とバネッサが言っていたのだ
もっとも、高級酒なので特別な時にしか飲まないらしい
「え、えーと……オススメください！」
実は私はあまりお酒を飲んだことがないので、ここは店員さん任せになってしまう。
だが、
「オススメですか？それなら、複数あるので是非、試飲してみてください！」
「え？」
いいんですか？と言う前に、小さなグラスに葡萄酒が注がれていた。
さすが高級ブランド……ルビーを溶かしたような見事な色に気づけば私は杯をあおっていた
……そして、そこからの記憶はないーーー
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氷輪(プロフ) - しーさん» 鋼でしたね！すみません！訂正します！ご指摘ありがとうございます！ (2018年12月24日 9時) (
レス) id: 9e47dac2f9 (このIDを非表示/違反報告)
しー - クラウスのまほうは青銅ではなく鋼魔法です (2018年12月24日 7時) (レス) id: 05e026159a (このIDを非表示/違反報告)
氷輪(プロフ) - ツバサさん» ありがとうございます！！楽しみにしていただけて嬉しいです！！ソリド兄様になってますね（笑）ご指摘もありがたいです！訂正します！！ (2018年12月22日 23時) (レス) id: 9e47dac2f9 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - めっちゃ面白です！続きが楽しみです！あと、22話のソリド兄様に褒められたとありますがノゼル兄様ではないでしょうか？ (2018年12月22日 22時) (レス) id: 569f9ab0cc (このIDを非表示/違反報告)
な。 - 氷輪さん» こんな拙い文章にお返事の言葉、ありがとうございます。作者さまの他の作品も、楽しく心打たれながら読ませて頂いております！！好きです………ずっと神だと思っていた作者さまが推しのストーリー作ってくださったなんて感激すぎる。好き……愛が重くてすみません（笑） (2018年7月12日 22時) (レス) id: 87a58fa8a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷輪 | 作成日時：2018年5月19日 21時
