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変な奴 下 ページ4

それからしばらく、
あいつはやたらと俺に絡んできた。
鬱陶しい。
しかし、それを俺は口にしない。
あいつは、クラスのスターだ。
そんな奴に対して、
『鬱陶しい』
なんて言ったらどうなることやら。
上原は、よく物語などで出てくる『完璧王子』だ。
誰に対しても優しく接する。
スポーツ万能
先生からの評判もいい
成績優秀

一様今のところ、成績は俺の方が上だが、
そのうち抜かされるだろう。
俺にただ単に、慈善活動のためだろう。
それなら、いい迷惑だ。

ある日の放課後

図書館から戻り、帰ろうと教室に戻ると、
上原が一人で窓の外を眺めていた。
周りには誰もいない
さっさと帰ろうと鞄を閉めると、
話しかけられた。

「よっ!メガネくん。
 何してたんだ?」

チッ、しつこいな。

「お前には関係ないと思うけど。
 前々から思ってたんだが、どうしてやたらと俺に話しかけてくるんだ?
 話し相手なら沢山いるだろう。
 それとも慈善活動か?
 なら、これ以上話しかけてくるな。
 俺は一人でいたいんだ。
 じゃあな。」

「ちょっと待て。
 俺は慈善活動してるわけじゃない。
 お前と友達になりたいだけだぞ?」

「それなら、お断りだ。」

「嘘つけ、
 寂しいだんだろ?」

寂しい?

俺が?

な訳あるか!

「お前は馬鹿か?」

「かもな!」

そう言って、ニカっと笑った。

「じゃぁ、明日。
 メガネくん。」

全く、なんなんだ?あいつは?
この俺と友達になりたいだなんて、どういう神経してるんだ?

『変な奴』

これが、

俺とあいつ

『上原 賢志』

の出会いだった。

 

現実→←変な奴 上



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作者名:LILY | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/userid10301/  
作成日時:2020年7月25日 17時

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