私の恋はきっと、初恋で終わる【文スト】

お菓子が14つ ページ14

＊


「ええっと〜すみません乱歩さん、私が
莫迦(ばか)なせいで、変な勘違いを
しそうなのですが」


そう、これはきっと気の所為(せい)。
多分猫が可愛いとか、そういった類いの
可愛いだろう。

そうだ、そうでなければ説明がつかない。
こんなに私にとって都合のいいことが
起こる筈がない。





「だからぁ！Aが好きってこと！判る！？」

しかし、そんな考えは数秒で否定された。
真逆(まさか)、本当に？

ぼんっ、と元々顔が赤かったのに、
更に赤くなった気がする。キャパオーバー
なんて、やさしいものじゃない。



「え、え、じゃあ、両思い、って
事ですか······！？」

「もう！何回も云わせないでよ！」


乱歩さんの耳がほんのり赤い。
これは、夢？夢の続きなのか？




そう思っていたら、辺りから拍手の
音が聞こえた。


「おお、カップル成立ですねえ。羨ましい？
国木田くーん？」

「羨ましくなどない。おめでとう
御座(ござ)います、乱歩さん、清水さん」

「ようやくくっついたのかい？
めでたいねェ」

「ナオミもきっと喜びます。お二人の
こと、応援していましたから」

「あ、あの！僕、恋愛とかよく
判んないんですけど······兎に角、
おめでとう御座います！」

「······お似合いだと思う」

「おめでたいですね！今度、牛一頭
お裾分けしますね！」



······忘れていた。此処(ここ)には、探偵社の
主要メンバーが勢揃いしていることを。

というか、これじゃあ乱歩さんと私の
結婚が決まったみたいなノリじゃあないか。


嫌ではないだけに、強く否定出来ないのが
悔しい······


結局、乱歩さんと顔を見合わせて、
苦笑するしかなかった。

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フョードル・ドストエフスキー

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