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風車は回る 卅参 ページ33





炭治郎がそう声をかけると、しのぶは少し
驚いた様子を見せつつ、振り返る。



「ああ、炭治郎くんたちでしたか······
なぜ、ここに?」

「あ、いえ、俺たちはある噂を聞いて······
しのぶさんは、違うんですか?」

「噂?」


どうにも話が噛み合っていない。
それよりも、炭治郎は気になることがあった。




「あの······なぜ、喪服を着ているんですか?」

そう、しのぶはいつもの隊服ではなく、
自前の喪服を着ていた。




「今日が······私の友人の命日なんですよ」

しのぶは長いまつげをそっと臥せ、そう
答える。そしてその視線は、目の前の
赤い風車に注がれた。


「炭治郎くん。ここは、鬼殺隊の中でも、
知っている人が少ない場所です。どんな噂を
聞いたのか、教えてもらえませんか?」


炭治郎は、自分が聞いた噂をしのぶに伝えた。
伝え終わると、しのぶは怪訝そうな顔をする。


「そんな噂が······?それ、誰から
聞いたんです?」

「すみません。俺も、なぜか顔を覚えていなく
て······ただ、髪が長くて、短めの隊服を
着ていて······あ、赤い番傘を差していました」


赤い番傘。それを聞いた瞬間、しのぶの元々
大きい瞳が、さらに大きく見開かれた。


「ま、さか······Aさん?」





その呟きに答えるように、赤い風車が
からからと回った。

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ぺぽん(プロフ) - とても良いお話でした。最初、明るくて優しくて夢主ちゃんが少し羨ましかったけど、まさかあんな過去があって、ずっと秘めていた暗い思いがあったなんて…素敵な物語をありがとうございました! (11月25日 11時) (レス) @page37 id: 7908095bba (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 砂漠のうさぎさん» コメントありがとうございます!意識していたところが伝わってとても嬉しいです……!NGワードの件、初めて知りました。余計な口だなんてとんでもないです……!自分でも気になっていたところなので、ありがたいです。 (2021年2月15日 18時) (レス) id: 476e4d3430 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠のうさぎ(プロフ) - 結果としての救いの無さ、好きです……………少しずつすれ違っていって、取り返しがつかなくなってから気付く、そんなしんどさがすごく良かったです…… (2021年2月6日 23時) (レス) id: fda4a3ac18 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - fubukiさん» コメントありがとうございます!fubukiさんの琴線に触れるような文を書けていたなら、こちらも嬉しいです!! (2020年10月13日 19時) (レス) id: 4e72ee7982 (このIDを非表示/違反報告)
fubuki(プロフ) - 泣きました。夢主ちゃんいい子ですね。 (2020年10月12日 19時) (レス) id: 8d00889b6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミオ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/userid10262/  
作成日時:2020年5月30日 10時

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