かざぐるま。【鬼滅の刃】

風車は廻る　卅 ページ30

＊


才能なんてなくて、ただひたすら努力を
続けてきただけ。

何がおかしい？どこで杏奈は間違えた？
いや······そもそも私が間違えているのか？······分からない。



こっそりたてたお墓の前で手を合わせながら、
私は考える。

墓前には、杏奈が好きだったと言っていた
カステラ、そして藤色の風車。花は、良さげ
なのが見つからなかったため、今回は
見送った。



鬼になった者のお墓をたてるなんて、
鬼殺隊の人に知られたら、柱降格でも
すまないだろう。けれど、私はそれでも
せめて、供養はしたかった。



「杏奈のこと、ちょっと調べたの。杏奈も、
い、じめられていたんだね。私は両親が
慰めてくれたけど、杏奈は······」


きっと過去の杏奈は、まわりの人、全てを
恨んでいた。だから、その全てを壊した鬼に、
憧れる「フリ」をしてしまったのかも
しれない。

それが例え間違ったことだと分かっていても、
自分を保つために。




「うん、そろそろ行こうかな。私も、
『最後』に、やらないといけないことが
あるからさ」



墓前から立ち上がって、番傘を差し直す。
ここに来たのは、心の決心をつけるため。
杏奈が絶句した、私のやらなければ
ならないこと。それはーー









「師範として責任をとり、自害しなくちゃね」

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