かざぐるま。【鬼滅の刃】

風車は廻る　廿伍 ページ25

＊


そして、私は育手を紹介してもらい、
修行を始めた。

紹介してもらった育手は水の呼吸の使い手。
かなり厳しい人だったけれど、私のために
厳しくしてくれているんだと思って頑張った。




何年も何年も修行をつんだ。けれど、
なかなか結果は伴ってくれなくて。

同じ時期に修行を始めた子どころか、弟弟子、
妹弟子である子たちにまでどんどん追い越され
ていった。

それでも、一度決めたからには諦めたく
なかった。日の出る前から素振りを始めて、
月が自分の真上に来るまで鍛練をしていた。

今考えると、適正のない呼吸をそう簡単に
扱えるはずがないとわかるのだけど。当時は
そりゃあもう必死だった。



だから、最終選別を突破したときは本当に
嬉しくて。生き残った人達の中でも一番重症
だったし、ほとんど運だったけれど。




「こちらが、色変わりの刀になります。
どうぞ、持ってみてくださいね」

「·····はいっ」


当時の私は、とてもドキドキしていた。
色変わりの刀。私のは、どんな色だろうか。
やっぱり教えてもらった水の呼吸の青がいい、
でも、花の呼吸の桃色も可愛い······


そして、変わる刀の色。その色はーー期待から
大きく外れる、海松茶(みるちゃ)色だった。



その色を見た瞬間、師匠も刀鍛冶の人も、
がっかりした気配を私は感じた。もちろん、
声には出していないけど、そんな雰囲気は
感じ取れた。


「······あの。これは、なんの呼吸の刀の
色なんでしょうか」

「······A、よく聞け。それは、
木の呼吸の刀の色だ」

私の質問の後、しばらく師匠は何かを考える
素振りをし、重々しくも口を開いた。







「一言で言うとーー鬼が切れない呼吸だ」

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