頼れる大きな背中 《アイスバーグ》 ページ6
『あたし、大きくなったらあんな立派なやつ作りたいんだ！』
私が船大工を志したのはもう何年も前の事。子供の頃に見た海列車に憧れて、必死に船の事や船大工になるための勉強をした。
今まで女の船大工なんて見たことも聞いた事も無かったし、造船所は男の職場なんて言われていて女が入るなんて夢のまた夢だ。
けれど奇跡が起き、私は憧れのガレーラカンパニーに入社することが出来た。しかし、まだまだ下っ端で自分の腕にも自信が持てていない。
だから毎日造船所の隅で船作りの練習をしている。
「ンマー、珍しいな。こんな所で一人、船作りの練習か？」
今日もいつもと同じ、ただひたすらに木材と向き合う。
すると、集中していて気づかなかったのか、いつの間にか社長であるアイスバーグさんが近くにいた。
『アイスバーグさん！ お疲れ様です。えっと……』
「そう堅くならなくてもいい。確か君は、最近入社したばかりの新入りだな。名前は確か……A、だったか」
『はい！』
アイスバーグさんはウォーターセブンの市長であり、このガレーラカンパニーの社長だ。その性格と確かな腕前から社員達や市民からの信頼も厚い。
「随分頑張っていると社員達から評判になってるらしいな。おれもよく頑張りを耳にする」
『いえ、まだまだです。自分の腕にも未だに自信が持てませんし、皆さんの足を引っ張らないように努力する日々です』
苦笑しながら言うと、アイスバーグさんはペットであるティラノサウルスを撫でながら顎に手を当てて、何か考えるように此方をじっと見つめる。
お互い何も喋らず、二人の間に静寂が訪れる。見つめられたままただ、時間だけが過ぎていく。
沈黙に耐えきれなくなり、私が口を開いた瞬間、頭に暖かい感触がした。
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なしば(プロフ) - 瑠璃アゲハさん» 暖かい言葉、本当にありがとうございます。自責の念に苛まれていたのですが、今は苦しむことより、しっかりと作品と向き合い自分のモチベーションを高めることに努めたいと思います。 (2021年1月15日 14時) (
レス) id: 485594ded7 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃アゲハ(プロフ) - 戻ってくる日を楽しみにしています。ゆっくりでいいと思いますよ。私も小説書きながら、中々うまく表現できなくて悩んだことあります。それでもお気に入りしてくれる人がいるから、頑張ろうって私は思えました。なしばさんはなしばさんのペースで良いと思います！ (2021年1月15日 14時) (レス) id: b1b687d56b (このIDを非表示/違反報告)
なしば(プロフ) - びぃさん» 温かく嬉しいコメントありがとうございます…！ これからも待たせてしまうかもしれませんが、応援していただければ嬉しいです！ (2020年6月25日 20時) (レス) id: 485594ded7 (このIDを非表示/違反報告)
びぃ(プロフ) - ご自分のペースで無理なくこれからも創作を楽しんでもらえたら一読者としても嬉しいです。長文および乱文失礼致しました。 (2020年6月25日 20時) (レス) id: 1463c1385c (このIDを非表示/違反報告)
びぃ(プロフ) - 夜分に失礼いたします。引き込まれるような文章に思わずコメントをしてしまいました。どのお話もとても素敵で、占ツクでも稀に見るような素敵な作品だと思いました。既存のお話だけでも胸がいっぱいになるようです…！スランプとのことで筆も乗らない時と思いますが、 (2020年6月25日 20時) (レス) id: 1463c1385c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒアラシ | 作成日時：2019年11月27日 14時
