3話 ページ4
「…………」
「…………」
席に案内されて10分が経過した。
メニューを聞きに来た店員のお姉さんは、一向に話そうとも、表情をピクリともさせない奇妙な学生２人に困惑していただろう。
俺も、今絶賛困惑中である。
「……真木、だよな」
「うん、君は…轟」
推薦入試の終わり、俺を待ち伏せていた轟に拉致られ、ファミレスに連行されていた。
「お前、雄英志望だったんだな」
「俺の方こそ。轟は雄英には行かないと思ってた」
「………」
どうやら地雷を踏んだらしい。
関わりはないとはいえ轟は有名人。だってNo.2ヒーローの息子なのだから。
何かあったとしても不思議はないけど、俺は好奇心に殺される猫ではないので無視をしておく。
「……真木は、なんでヒーローを目指したんだ」
「なんでだろう」
そういえば、なんでだろう。
毎日ちょっとした夢を繰り返し見ることと、個性以外普通で、命を狙われたことも誘拐されたこともヒーローに救われたこともない俺は、なんでヒーローになりたかったんだろう。
小さい頃から、違う、それよりもっと前、
生まれる前から持っていた夢のような気がする。
「……多分、俺も戦いたかったんだと思う」
「守られるんじゃなくて、肩を並べて戦いたかったんだと思う」
口から出任せに行った今の言葉が本物なら、昔の俺は、何を見たんだろうか。
カラン、とコップの中の氷が溶けて音をたてた。
「話、付き合わせちまって悪ィな。奢る」
「別にオムライス一つくらいなんの問題もないよ」
「いや、奢る」
「じゃあ割り勘しよう」
「わり…かん？」
「代金の折半ってことだよ」
正直眼光で人を殺せるくらいヤバい雰囲気だけれど、根はいい子なので同じクラスになったら積極的に絡みに行こう。
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、 - このシリーズめちゃくちゃ好きです！続きを楽しみに待ってます！ (11月4日 20時) (
レス) @page25 id: 5f75ef270c (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - 僕ちゃんさん» コメントありがとうございます！書き上げることができました！ (2022年4月16日 11時) (レス) id: 8038868961 (このIDを非表示/違反報告)
僕ちゃん - 続き楽しみに待ってます。更新頑張ってください！！ (2022年3月23日 9時) (レス) @page22 id: 760ef75fef (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - もちだんごさん» コメントありがとうございます！近々更新できると思いますので暫しお待ち下さい！楽しみに待って頂けて嬉しいです！ (2021年7月19日 20時) (レス) id: 8038868961 (このIDを非表示/違反報告)
もちだんご(プロフ) - 次回の更新はいつですか？楽しみに待ってます (2021年7月19日 20時) (レス) id: 993fbeabfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷雨 | 作成日時：2021年6月9日 13時
