推しがリスナーに告白とか心臓に悪いんでやめてください【紫】

あの、シスコンとか色々通り越してません？ ページ30

デートをする上での条件


第１条 門限は６時。正当な理由がある場合以外は原則時間は厳守すること


第２条 過度なスキンシップは避けること


第３条 帰宅したら１日の出来事を報告すること


これが、さとみくんから言われた条件だった。



『口頭でも散々伝えた挙句、Ｌ〇ＩＮでもしっかり送ってくるあたり、さすがですよね・・・』


何度も念を押されて言われていたことだが、私は完全に忘れていた。



ななもり「あ、七瀬ちゃんにもこの変なＬ〇ＩＮきてたんだ。


　 俺の方も１条と２条が連投されてるんだよね」



なーくんのスマホの画面を覗くと、

さとみくんから”過度なスキンシップ禁止！！”と”時間厳守”という文字が沢山届いていた。



ななもり「ほんと、さとみくんって俺のことなんだと思ってるのかな」



『次すとぷりがＬ〇ＩＮスタンプを出すとき、「時間厳守」のスタンプ作れますね』


ななもり「一番説得力なさそうな人が言ってるけどね」



私となーくんは目を合わせて吹き出した。



確かに、さとみくんはすとぷりの中でも遅刻多めメンバーだ。


そんな人から時間を守れと言われても、説得力のかけらもない。



私は、なーくんと笑い合えたことに安心していた。



”なーくんと”笑い合えるって幸せだなぁ。


ー−−ずっと、この時間が続けばいいのに。



なーくんは私の手を引いて歩き出した。


夕日が淡いオレンジ色に輝いていて、とても眩しい。



タクシーと電車を乗り継ぎ、家に近づいてくる頃にはちょうど６時になっていた。


遠くから玄関をよく見ると、人影が立っているのが見えた。



『・・・まさか、あの人』


ななもり「あのシルエットは完全にさとみくんだね」



早足で家に向かい、さとみくんの元へ行くと「あ、おかえり」と軽く言われた。



ななもり「ずっと玄関の前で立ってたの？」


さとみ「いや、俺の服装見てください！どう見たって外出した帰りでしょうが！！」



さとみくんの服装は、黒のスキニーに白のパーカー、それからブラウンのジャケットコートという


シンプルだけどオシャレに見える、カジュアル系の服だった。




そして、本人いわく、


「ころんたちと遊んだ帰りが、たまたま七瀬たちと被った」ということらしい。



私たちは少しだけ玄関の前で話し、さとみくんが先に家の中に入った。




ななもり「じゃあ、またね」




私は、帰ろうとしたなーくんの服の袖を掴んだ。





『待って！！』

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