推しがリスナーに告白とか心臓に悪いんでやめてください【紫】

推しがお義兄ちゃんはダメだって ページ3

私も一応名乗っておいた。美里さんと私は握手を交わした。


美里「七瀬ちゃんの部屋はこっちね」

私は美里さんが２階に上がるのに倣って、一緒に移動した。


階段を登り切ったとき、またもや見覚えのある猫と遭遇した。マンチカンの茶色い猫ちゃん。


『この子は・・・？』


美里「ん？あぁ、この子はひなちゃん。俺の可愛い愛猫だよ」


はい、確定ですとぷりのさとみくんです。え？推しが義兄とか私の心臓止める気ですか？

そう叫びたい気持ちをグッとこらえて、私は「可愛いですね」とだけ口にした。


私の推し・・・もといさとみくんが案内してくれた部屋は、ベット、タンス、勉強机などなど、

学生に(？)必要な家具が一式揃っている、質素だけどとても使いやすそうな一室だった。


さとみ「七瀬ちゃんがどういうのが好きか分からなかったから無難なの選んじゃったけど、

　 嫌だったら言ってね」


嫌だなんてとんでもない！推しが自分のために用意してくれた部屋なら、

人間が住める範囲であればどんな部屋でも最高ですよ！！


私は鼻血が出そうな程喜んでいる気持ちを必死に抑えた。


『こういう雰囲気のお部屋好きなのでとてもありがたいです！ありがとうございます！』

シンプルな雰囲気が好きなのは本当だから、この部屋に住めるのは凄く嬉しい。


さとみ「喜んでくれてよかった」


イケメンの微笑！！尊い笑顔をありがとうございます。

まさかこんな近くで推しの笑顔を見れるなんて思ってもいませんでした。


私前世でどんな徳を積んだんだ？


さとみ「俺やることがあるから自分の部屋に行くね。隣の部屋にいるから何かあったら

　 いつでも呼んで」


そういってさとみくんは自分の部屋に戻った。私も新しく住む部屋に足を踏み入れた。

・・・というか今さらだけど、さっきの私推しと無料で握手してた？


私はドアを閉めて大きく息を吸った。


『さとみくんがお義兄ちゃんは無理・・・っ！！』


いや、さとみくんがお義兄ちゃんなのは物凄く嬉しいよ？

街中で小躍りできるくらいには喜んでるよ？


だけど！私の心臓が持たない！！近いうちに私の心臓爆発するよ！？

さとみくん家で天国に旅立つ者が現れちゃうよ！？


リスナーと推しの同居は色んな意味で非常にマズイ。


でも、ここに住めないとなると今の学校には通えない。

(後から「ママに一人暮らしはダメよ♪」って言われた)



全国のリスナーさん、私はどうするべきでしょうか・・・？

夜だ！ご飯だ！夕飯作りだ！→←まさかね・・・。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す