１１話 ページ12
私は家庭事情を含めた”自分”というものを他人に知られたくなかった。
本当の私は、親の言う通りに生きるのが嫌になって反抗しようとした只の愚か者で、
真面目で信頼も厚い優等生なんかじゃない。
自分のことが大嫌いでいつも捻くれてて、生きてて楽しいことなんて一つもないつまらない人生。
だけど外面だけは良くしようと必死で、変に高いプライドだけを守ろうと自分を取り繕うとする。
消えたいって思ってるのに、自ら命を絶つ勇気もなくて。
そんな暗くて惨めな自分を、誰かに知ってほしいとは思えない。
スカートの裾を握り締めながらそんなことを考えていると、
松本先生が「……まぁ、言えないことぐらい誰にだってあるわな」と呟いた。
驚いて顔を上げると、先生方は口々に”そうだね”と相づちを打っていた。
絶対に追及されると思っていたから、私は拍子抜けしてしまった。
櫻井「話したくないんだったら、無理に話さなくていいよ。
生徒の個人の事情に、俺ら教師が勝手に踏み込むわけにはいかないし」
大野「話したくなった時に、喋りに来ればいいと思う」
予想外の返答に困惑していると、松本先生が「その代わり」と言いながら立ち上がった。
そして資料が散乱している机から一冊のノートを取り出し、私に渡してきた。
不審に思いながら受け取って中身を見ると、何も書かれていない白紙だった。
”何ですか、これ”と質問すると、「ノート」と言われた。
いや、別に物の名称を知りたかったわけじゃなくて……。あと、ノートぐらい知ってるんで。
そうツッコむと、松本先生は「そりゃそうだろ」と言ってソファーに再び座りった。
”何がしたいんだこの人”と思いながら視線を流していると、
相葉先生が「松潤、ホントにアレやるの？」と不思議そうにしていた。
松本「最初に提案してきたのは相葉さんでしょ」
相葉「そうだけどさ……。まさか採用されるとは思わないじゃん」
状況が分からず沈黙していると、松本先生が「交換日記ってしたことある？」と尋ねてきた。
”まぁ、小学生の時になら……”と答えると、次の瞬間、先生は飛んでもない言葉を口にした。
松本「今日からまたそれをやろう」
『……はい？』
松本「だから、俺らと交換日記しようってこと」
ー−−な、何を言ってるんだこの教師……。
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雨萩さくり(プロフ) - 鶯 御飴さん» ありがと!鷲御雨さんの作品も時間がある時に読んでみるね! (2月28日 19時) (
レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
鶯 御飴 - 雨萩さくりさん» 読んだよ〜。次の更新も楽しみだな♪私は新作も出したしどんどん更新してます。良かったら読んでね〜♪ (2月28日 19時) (レス) @page14 id: 8b7eb4bb5c (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 鶯 御飴さん» 返信遅れてごめんね💦コメントありがと!更新したよ(*´▽｀*) (2月23日 18時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
鶯 御飴 - 雨萩さくりさん» 更新待ってるね。頑張って！(*'▽'*) (2月22日 17時) (レス) id: 8b7eb4bb5c (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - 桜神さん» 久しぶり！名前変更ね、りょうかーい！ (2月6日 18時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨萩さくり x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時：2023年7月2日 15時
