最年少のヒロインならぬちょろインは今日も奮闘中！【苺】２ (ページ28)

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【番外編】　過去のこと　４　　活動編ページ28

私は、大事なことを忘れているのに気が付いた。

私の大好きなリスナーさんは、こんなことで幻滅する人たちじゃない。

盛り上がりたいときは一緒に楽しんでくれて、私が辛いときは心配をしてくれる優しい人たち。

きっと、私が女の子だって気付いた上で、応援してくれてる子も沢山いる。

ななもり「世界にはね、わたあめくんを大好きな人たちがいっぱいいるんだよ。

　リスナーさんだけじゃなく俺たちメンバーも、

　他の活動関係のお友達含めて、みんなわたあめくんのことが大好きなの。

　だから、”自分はいらない人間なんだ”って思わないでほしい。

　 ”わたあめちゃん”は、俺たちに必要不可欠な存在だよ」

弾けるように、私の目から雫が溢れた。

こんなことを言われてしまっては、我慢していたものもこらえられなくなる。

ななもり「一緒に進もう、わたあめちゃん。

　もし非難されたとしても、〈これが私だから〉って言えるくらい大きくなって、

　自分自身に胸を張れるように頑張ろう！

　わたあめちゃんなら、きっとこの歌い手界隈に大きな影響を与えられるよ。

　かましちゃおうぜ！！」

電話越しに聞こえる、ななもりさんからの励ましの言葉。

私は、自分の目頭を押さえた。さっきから、涙は止まるということを知らない。

『・・・私、歌い手活動が大好きなんです。

　応援してくれるリスナーさんもいて、一緒に走ってくれる仲間もいて。

　本当に、幸せだと思います』

ななもり「うん」

『でも、時どき凄く怖くなる瞬間があるんです。

　自分が女だってことを打ち明けたときに、この関係が崩れてしまったらどうしようって。

　リスナーさんを幻滅させてしまったら、どうすればいいんだろうって』

ななもり「うん」

『だけど、それは余計な懸念だったんだって、今気づけました。

　”自分から離れてしまう人に執着するんじゃなくて、

　私を応援してくれる人を大事にしよう”

　ー－－ななもりさん、大切なことに気づかせてくれてありがとうございました』

泣きながらも、私は一生懸命自分の思いを伝えた。

ななもり「一緒に、天下取ろう！」

『・・・はい！取りましょう！』

ー－－これが、私の歌い手活動・”第２章”の始まり。