最年少のヒロインならぬちょろインは今日も奮闘中！【苺】２ (ページ27)

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【番外編】　過去のこと　３　　活動編　ページ27

～回想～

『・・・すとぷりを、脱退したいです』

ななもり「それはさ、”わたあめくん”のやりたいことなのかな？」

私は、ななもりさんの言葉に首を傾げた。

言葉の意味が理解できなくて、私はたじろいでしまった。

ななもり「アンチの言葉に傷ついて辛いのも、性別について悩んでるのも事実だと思う。

　俺らに隠してたのも、凄く苦しかったんだよね。

　どうしたらいいのか分からなくなって、泣きながら悩んだ結果が”脱退”。

　これは、わたあめくんのやりたかったことと違うんじゃないかなって思うんだ」

私は、ななもりさんの話を黙って聞いていた。

ななもり「わたあめくんがやりたかったことって、

　 ”大きな歌い手になって、リスナーさんを幸せにする”だったよね。

　だから・・・・・・」

『だから、脱退しないでほしいって言うんですか！？

　リスナーさんが望んでるのは、

　”男の子”のわたあめであって、”女の子”のわたあめは望まれてないんです！

　望まれてない人間がいたって、グループのみんなに迷惑をかけるだけ！！』

ななもり「わたあめくん」

八つ当たりをしているのは分かっていた。

自分を大切にしてくれる人に、こんなことはしちゃいけない。

理解はしていたのに、私は感情をセーブすることが出来なかった。

『メンバーに迷惑をかけるぐらいだったら、さっさと望まれてない人間はきえ・・・』

ななもり「わたあめくん！！」

ななもりさんの、厳しい声が耳に届いた。

こんな怖い声、今まで一度も聞いたことがない。

ななもり「いくら自分のことでも、俺の”大事なメンバー”を否定することは許せないよ。

　それから、わたあめくん。

　アンチの声じゃなくて、”本当のリスナーさん”の声を聞いてあげて」

ななもりさんは、私に関するリスナーさんのツイートを読み上げた。

”わたあめくん今日もカッコ可愛い！”

”性別どっちなのかなって思ってたけど、何かどうでもよくなってきた。

　わたあめくんはわたあめくんだわ”

”どんな姿でも、わたあめくんのことが大好きです！！”

ななもり「本物のあめリスは、わたあめくんの性別が何だろうと応援してくれるよ。

　ー－－それが、リスナーってものでしょ？」

リスナーさんからの温かい声とななもりさんの言葉に、私の視界が歪んだ。