記憶を失った彼らは (ページ6)

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5話エリザベスside ページ6

ベッドはそれぞれの部屋に1つしかないので、別々の部屋に運びました。

あとは、怪我している所を包帯で巻いたり、土などの汚れが酷いのである程度身体を拭いたりして、一通りの手当てはすませました。

起きる気配が無かったので、一旦酒場の方へ戻ってメリオダス様とホークちゃんとあの子たちのことについて話をしていました。

どうしてあの子たちがあんなに怪我をしていたのか

何故、森の中に子供2人で行ったのか

そもそも親はどうしているのか、など

考えても考えても、その答えは出ませんでした。

ふと、あの子たちは棄てられてしまったのではないか、と考えてしまいました。

そう考えてしまうと、いてもたってもいられなくなりました。

エリ「メリオダス様、あの、私、あの子たちの様子見てきますね。」

すると、メリオダス様はひらり、と手を上げて

「ん、分かった。何かあったらすぐ言えよ。」

と返してくれました。

エリ「はい！では行ってきますね。」

そう言うと、私はまず淡いピンク色の髪をした子のいる方へ行きました。

メリオダス様によると、その子はもう一人の子を庇うように倒れていたそうです。

そのせいか、傷も多かったので本当に大丈夫なのか、という思いもありました。

エリ「失礼しますね。」

と、小さな声で呟くと、私はドアを開けました。

ドアを開けて私は、

「な、何しているんですか！？寝ていないと駄目ですよ！」

思わず、そう叫んでしまった。

あんなに傷だらけだったから、まだ寝ていると思っていたのに。

私の声が頭に響いたのか、彼は少し顔をしかめるとふらり、と後ろの方に倒れそうになっていました。

私は咄嗟に彼の手首を掴んで

「す、すみません、急に大きな声を出してしまって。でも、どうして外に出ようとしたんですか？今は安静にしておかないとだめですよ。」

そう、言った。

すると彼は、浅く息をしながら

『でも、シュウが、シュウがいないんだよ。探さないと。大丈夫だって言わないと。もう安心してって、心配しなくていいんだよって言わ、ないと、言って、安心させないと』

そう、うわ言のように言いました。

目は忙しなく辺りを見回していて、脳が上手く働いていないのではないかと、直感しました。

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