No.1 |fw ページ5
"別れよっか"
彼女が作ったであろうラップのかけた料理に添えられたメモ。
「…」
理由は明白だった。
彼女は会社員で朝から夜までいない、それに対して自分はホストなので夜から朝までが仕事。つまり一日中話さない、顔を合わさないということがしばしばある。
「そうだよな、」
こんな状態でもまだ彼女は料理に洗濯、掃除だってしてくれる。
どこまでも優しい彼女が好きだった。
大学で出会って恋をして。デートの計画はいつも立てられずに当日は気分次第で決めて。それに全部つきあってくれた彼女。
お互いが就職してから一緒に住み始めた。だけどそこからは時間が合わなくなる生活だった。
彼女を幸せにしてあげられなくて悔しいという想いが沸々と込み上がる。だけど、最善策はきっと、それなんだろう。
ラップのかけてある美味しそうなハンバーグをレンジに入れる。
なんて返そうか、本当は別れたくないって言いたい。だけど、彼女が幸せでないなら。自分といても仕方ないじゃないか。
僕が望むのは、彼女の幸せ。だから、だから＿＿＿
「…不破くん？」
「え」
チン、という音で起きてしまったのだろうか、それとも作業していたのかわからないが彼女が部屋から顔を出す。深夜2時半。いつもなら寝ているはずだ。
「…起こしちゃった？」
「ううん、大丈夫、待ってたから。
＿＿それでさ、見てくれた？」
「見た、よ」
「そういうことで、いい？」
「…ん、うん」
少々の沈黙が流れる。
「ところでさ、今月もNo. 1かな？」
突然話が変わり、混乱する。
「…え？そうだけど…」
「なら、よかった」
「え、どういうこと？」
彼女の言っていることがわからなくて、聞き返してしまう。
「不破くんにはNo. 1にしてくれる女の人たちがいるから安心って、ことだ…よ？」
涙を流す彼女。
「っ、待って…！」
アルコールの入った頭で考えたせいで、彼女が僕をまだ好きであること、お互いが相手のために別れようとしていたことを理解するのが遅れた。
腕をつかもうとした手が空を切り、ドアが閉まる音がする。急いで玄関から飛び出すが酔いがまわってきてうまく走れない。彼女の姿が遠ざかり、ついには見えなくなってしまった。
去り際言われた言葉で確信したのだ、まだ両想いであることを。
「…ごめん、ごめん、っ」
"私は不破くんのNo. 1でいたかった…ッ"
誰よりも好きな、僕のNo. 1の彼女のその言葉が、頭から離れない。
聖夜なんてない |segs→←true end. |knmc
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お米(プロフ) - (°д°)ﾎﾟｶﾝさん» 遅くなりすみません！ありがとうございます！ちゃんと読めました！！ (2022年10月26日 21時) (
レス) @page3 id: 951a0df5c4 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - Hinaさん» 好きと言っていただけてとっても嬉しいです…！またリクエストありがとうございます！遅くなってしまうかもしれませんが書きますね！ (2022年9月26日 19時) (レス) id: 2a01933ca8 (このIDを非表示/違反報告)
Hina - 凄く…好きです……あの、ほんとに出来たらでいいんですが、Chapter:4とChapter:5でysrさん、orb•ebnsさん、skngさんって出来ますかね……？(リクエスト多くて申し訳ない💦) (2022年9月22日 15時) (レス) id: 66b5211ad3 (このIDを非表示/違反報告)
(°д°)ﾎﾟｶﾝ - お米さん» 作者さんではないんですけど…私は最初は822って打ってたんですけど読めなかったので0822と打ってみたら読めました。もしこれも試していたならすみません…。 (2022年8月17日 20時) (レス) @page45 id: 455b891510 (このIDを非表示/違反報告)
お米(プロフ) - とても読みやすくて気に入ってます！「真実は」の続編が見たく、privatterで作品に記載されている通りにパスワードを入れてみたのですがいろんな方法で何回試しても開けません。どうしたら見れますかね…？ (2022年8月12日 22時) (レス) @page3 id: 951a0df5c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年11月23日 10時
