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背中の温もりはいつしか冷めて |ngo ページ12

血にまみれた服。刀。手袋。
目の前には魔。
負けていられないこの状況で前後左右すべてから魔が襲ってくる。


「ちょいきついかも…っ」


「大丈夫だよ、景くん、後ろは任せて!」


Aと背中合わせになり、刀を振る。


「ふっ…」


それでも減らない魔に疲れが増す。他の祓魔師たちも手一杯で助けを求めることは不可能だ。

「景くん、右いるよ、危ないっ!」


ザシュッと音を立ててAが魔を斬る。


「すまん、ありがと」



一向に減らない魔。
そこに疑問を覚え始める。もしかしたら、これの源の魔がいるのでは?そういう考えに落ち着く。
それはAも勘づいていたみたいで


「どれからだ?」


「わかんない…」


そう言っている間にも魔は絶えず襲ってくる。
むしろ、増えた…?



「知能があるのか?この会話も聞こえているなら、かなり不利だ」


「そうだね…」


くそっ、なんでだ、このまま増え続けたら俺たちが疲れて死んでしまう。そしたら、桜魔の人々は。



「景くん、いた!!」


なるほど、つまり背中側か。それなら、

「任せても、いいか?」


「うん、いける、と思う」


俺は彼女が本体に近付けるよう、ダミーたちを倒していく。

その時、

「いたいッ!!!」


そう叫ぶ、声。


「おい大丈夫か?!」


「ごめん、足怪我したっぽい…」


でも大丈夫、と言う彼女の負担が減るように更に刀に力を込める。
ちらりと横目で見ると、だいぶ彼女の動きが鈍くなった気がする。まずい。


「ごめん景くん、庇うように闘わせて」


「んなもん、気にすんな!!」


彼女に本体を任せるのは不本意だが、場所を変更するのは難しそうだ。


「…ぅ」


痛みを我慢する声が聞こえる。


「あと少しだ、頑張れッ!!」



不意に、背中の気配が消える。


ザシュッ




今まで増え続けていた魔が、いなくなる。



「やったのか?!A!!」


おめでとう、早く治療しようか、と言おうと、振り返ると


ドサッ


背中の温もりが消える。


「え」



そこには、相討ちになった魔とA。


「景、くん…ご、めん」


「待って!死なないでくれ…」


「…もう、大、丈夫。きっ、と最期」


ぼろぼろと涙をこぼす彼女。


「…景くん、だ、いす、きだ…よ、」




______昔、彼女が言ってくれたことを思い出す。



「景くんは髪長い方が似合ってる」


________
最後の文はちぐちゃんの質問のを見たら更にグッとくると思います。

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お米(プロフ) - (°д°)ポカンさん» 遅くなりすみません!ありがとうございます!ちゃんと読めました!! (2022年10月26日 21時) (レス) @page3 id: 951a0df5c4 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - Hinaさん» 好きと言っていただけてとっても嬉しいです…!またリクエストありがとうございます!遅くなってしまうかもしれませんが書きますね! (2022年9月26日 19時) (レス) id: 2a01933ca8 (このIDを非表示/違反報告)
Hina - 凄く…好きです……あの、ほんとに出来たらでいいんですが、Chapter:4とChapter:5でysrさん、orb•ebnsさん、skngさんって出来ますかね……?(リクエスト多くて申し訳ない💦) (2022年9月22日 15時) (レス) id: 66b5211ad3 (このIDを非表示/違反報告)
(°д°)ポカン - お米さん» 作者さんではないんですけど…私は最初は822って打ってたんですけど読めなかったので0822と打ってみたら読めました。もしこれも試していたならすみません…。 (2022年8月17日 20時) (レス) @page45 id: 455b891510 (このIDを非表示/違反報告)
お米(プロフ) - とても読みやすくて気に入ってます!「真実は」の続編が見たく、privatterで作品に記載されている通りにパスワードを入れてみたのですがいろんな方法で何回試しても開けません。どうしたら見れますかね…? (2022年8月12日 22時) (レス) @page3 id: 951a0df5c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠 | 作成日時:2021年11月23日 10時

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