真実は |knmc ページ2
「…ね、別れよう？」
ぽつりと呟いた彼女の顔は見えない。
「え、なん」
「…好きな人が、いるの」
食い気味に彼女は言う。だれなんだ、いつから、という疑問が湧き上がってくるがそれに答えられてしまったらそれが本当だと、僕が1番でなくなることを意味する。まだ嘘だと思いたくて、少しだけ期待している自分がいて苦しくなる。
「そ、うですか」
「…うん、ごめん」
俯いているせいで、自分より身長が低い彼女の顔を見ることはできない。
高校生になって同じクラス、隣の席になったことを思い出す。最初はお互いぎこちなかった。だけど勉強を教えあったり文化祭準備を一緒にしたりとしていくうちにだんだん惹かれていって、僕から告白したんだっけ。
『あの、もう察してるかもしれませんが、Aさんのことがすきです』
勇気を出したら頬を染めた貴方がいたのははっきり覚えている。
そこからいろんなところに出かけたし、たくさん話もした。ハグしたり手を繋いだりだとかそういう恋人っぽいことは恥ずかしくてできなかったけど、彼女と話せるだけで幸せ。それはお互い共通だと思っていた。いや、きっとそうだった。
だからこそ、なぜ？という思考が駆け巡る。
でも、思い当たる節はないと言ったら嘘になる。
先週だったか先々週だったかはわからないけど一緒に下校する時、手紙を持っていた。それも何回か。
きっとその差出人が貴方が言う好きな人なのだろう。
「…Aさんといれて、僕はとっても楽しかったです」
「私も、だよ」
「ありがとう、もちさん」
顔をあげた貴方の顔は大粒の涙が伝っていてそれを指で拭おうとしたがさっと手を引っ込めて、ハンカチを差し出す。
"もう僕は、貴方の彼氏じゃない"
そう頭ではっきりと分かってしまった。
彼女はそのハンカチを受け取って、
「…っ、もちさんのこと、大好きだった、っ」
そんなこと言われたら、こっちの方が泣けるじゃないか。でも最後に泣き顔なんて嫌だから、笑顔で、笑顔で…
「…おしあわせに」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「ね、もうそろそろ別れてくれた？」
「う、うん、だからもう…」
「いやいや、元彼が刀也くんって言って調子のるんでしょ？ふざけないでよね」
「それなー、がちうざーい」
「私の刀也くん♡って見せつけられたうちらの苦しみを味わって？？」
「そんなことしてな、痛ッ…ごめんなさい、ごめんなさい…」
真実は、闇の中。
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お米(プロフ) - (°д°)ﾎﾟｶﾝさん» 遅くなりすみません！ありがとうございます！ちゃんと読めました！！ (2022年10月26日 21時) (
レス) @page3 id: 951a0df5c4 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - Hinaさん» 好きと言っていただけてとっても嬉しいです…！またリクエストありがとうございます！遅くなってしまうかもしれませんが書きますね！ (2022年9月26日 19時) (レス) id: 2a01933ca8 (このIDを非表示/違反報告)
Hina - 凄く…好きです……あの、ほんとに出来たらでいいんですが、Chapter:4とChapter:5でysrさん、orb•ebnsさん、skngさんって出来ますかね……？(リクエスト多くて申し訳ない💦) (2022年9月22日 15時) (レス) id: 66b5211ad3 (このIDを非表示/違反報告)
(°д°)ﾎﾟｶﾝ - お米さん» 作者さんではないんですけど…私は最初は822って打ってたんですけど読めなかったので0822と打ってみたら読めました。もしこれも試していたならすみません…。 (2022年8月17日 20時) (レス) @page45 id: 455b891510 (このIDを非表示/違反報告)
お米(プロフ) - とても読みやすくて気に入ってます！「真実は」の続編が見たく、privatterで作品に記載されている通りにパスワードを入れてみたのですがいろんな方法で何回試しても開けません。どうしたら見れますかね…？ (2022年8月12日 22時) (レス) @page3 id: 951a0df5c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年11月23日 10時
