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「そうなんですね。って、あの、ここ自体はどこなのでしょうか?」
「ここは死役所と言って亡くなった方が成仏をするために来ます。」
「私のお母さんも祖父母も…」
「亡くなっていれば来ているはずですね。」
お母さん…もう成仏してるのかな…
「ですが、我々死刑囚はここで働かなくてはなりません。」
「え?我々ってシ村さんも死刑になったんですか?」
「はい。」
変わらない笑顔でそう答えるシ村さんに少しゾッとした。こんなに見た目だけじゃなく内面まで優しそうな人でも死刑になるようなことするんだ…って私も言えた口じゃないけど
「すみません聞いてしまって…」
「いえいえ、お気になさらず。」
「まぁ、そうですよね…死刑になるようなことしたのに死んだ後は、善い人も悪い人も関係なく平等に成仏できるなんて都合のいいことありませんもんね。」
「そうですねぇ。こればかりは条例で決まってますので私達ではどうもすることもできません。話の続きですが、吉村さんには採用試験を受けていただいてこちらで働いていただくことになります。」
「はい…わかりました。」
採用試験か…落ちたらどうなるんだろう?死ぬとか?あ、もう死んでるんだった…
「こちらが試験に必要な書類ですね、こちらで書いていただいても後でお持ちになっていただいても構いません。」
「いえ、今ここで書きます。」
「承知いたしました。それではボールペンでお願いします。」
「ふふーん」
「なんかニシ川さん機嫌良くないすか?」
「実はね、ハヤシくん。新人の女の子が私の課に配属されるの。」
「おー、良かったじゃないすか、ようやく願いが叶いましたね」
「ババだけの職場には飽きてたからね。」
「雪でも降るんじゃないすかー」
「ここに天気もなにもないでしょ。」
「その子どんな子すか?」
「私みたいに可愛い子」
「俺別にボケろって言ってないんすけど」
「あ?今なんて言った?」
「いえ…なんでもないです…」
は?じゃなくて、あ?はヤバい…傷つけられる前に謝んないと物理的に冥土の道行きになる…
数日後
「それではヨシ村さん今日から成仏するまでよろしくお願いします。」
「私なんかで仕事が務まるでしょうか…」
「心配なさらなくても、自 殺課にはニシ川さんもいますから。何かわからないことがあればニシ川さんを頼ってもらえれば大丈夫ですよ。仕事に関しては真面目ですからねぇ…」
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作者名:不明子 | 作成日時:2023年8月8日 0時