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そんな時。
カラカラと椅子のキャスターが回る音と、高橋の困惑した声が聞こえて。
振り返ると、猪狩が椅子ごと近づいて来ていた。
一体どれほど泣いたのか、真っ赤になった顔は痛々しく見えた。

誰かが、どうしたのと声を掛ける前に、猪狩の手が伸ばされて。
その手を、川島が取った。

「っ、ひ、う、のえくん、」

「……そーや、」

泣きながら互いの名前を呼んで、ぎゅっと抱きしめ合った。
のえくんのえくんと泣きながら頻りに名前を呼ぶ猪狩に、川島もうん、と答える。
驚いたのは、二人の仲間達だ。

「如恵留って猪狩とそんな仲良かったっけ。」

「ねぇ、猪狩どうしたの?」

「それが……帰ろうとしたら急に泣き出しちゃって……。」

「え、猪狩も?」

「猪狩もって、如恵留君もですか?」

お互いの事は気にしない様にしようとしていた両者だけれど、渦中の二人が寄り添い合っているので自然と言葉を交わしていた。
どうやら猪狩も川島と同じく、帰り支度の途中に突然泣き出し、どれだけ声を掛けても泣き噦るばかりで何も言ってはくれなかったらしい。

猪狩は縋る様に川島のシャツの胸元を握りしめている。
そんな猪狩を守る様に、その頭を抱え込んでいる川島。
猪狩の泣き声は止まない。

殆困り果ててしまった両グループは、もう声を掛ける事も出来ないでいた。
と、そこで漸く川島が口を開いた。

「……ごめん、もうちょっと、待って……。」

「ん?」

「もうちょっとしたら話せそう?」

小さく聞こえた声に松倉が反応を示し、優しく宮近が問い掛ける。

「ん……もう少ししたら、揃うから……。」

宮近からの問い掛けに頷いた川島はそう言って、猪狩を抱きしめる腕を強めた。
猪狩は川島の言葉を聞いて、より一層激しく泣き出した。

揃う?
何が?
誰が?

その場にいる十人のそんな疑問は、がちゃりと開いた扉によって解決する。
え、と声を漏らしたのは誰だったか。

開いた扉のその先。

入って来たのは。


「えっ、Travis Japan!?」

「HiHi Jetsもいるじゃん。」

「わ、なんかめっちゃ泣いてるけど大丈夫なの?」


「Snow Man……?」

「それに、SixTONESも?」


同じ様に、めそめそと泣く仲間を連れたSnow ManとSixTONESだった。

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user(プロフ) - bamさん» ありがとうございます!スローペースですが今後も楽しんでいただければ嬉しいです! (7月9日 4時) (レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
bam(プロフ) - この先どうなるかドキドキしながら見守る気持ちです。更新楽しみにしています! (7月8日 14時) (レス) id: e2f44e88a0 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - 中身のないミカンさん» ありがとうございます、コメント嬉しいです!励みになります! (2021年11月4日 3時) (レス) id: bc32234889 (このIDを非表示/違反報告)
中身のないミカン(プロフ) - こちらの作品も他の作品も好きです。個人的好みなので更新楽しみです (2021年11月2日 5時) (レス) id: b0e448d7d6 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - 名前しずくさん» ありがとうございます!その言葉がモチベーションに繋がります!嬉しいです! (2021年10月30日 0時) (レス) id: bc32234889 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:user | 作成日時:2021年10月28日 3時

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