邂逅 ページ22
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ばちっと目が覚める。
突然白く染まった視界、思わず目を閉じたのは覚えているのだが。
きょとんとしたまま、高地はゆっくり起き上がった。
「は、」
思わず漏れた吐息は誰にも拾われないで空気に溶けていく。
何処までも続く、白い白い空間。
上も下も分からない、右も左もない。
座り込んでいるのは地面の上なのか、それすらも覚束ない。
そんな世界に高地は__四人はいた。
膝立ちになって、這う様に未だくたりとしている三人の元へ歩み寄る。
このままだと白い空間に溶け出してしまいそうで、高地は恐ろしかった。
ゆさゆさと宮舘の体を揺さぶれば、すぐにぱかりと開かれる瞳。
「……ここは……。」
呟いて辺りを見渡す宮舘を尻目に、高地は川島と猪狩の元へ這う。
意識はあるがぼんやりとしている川島に声を掛け、猪狩の肩を叩く。
二人ともすぐにハッとして起き上がった。
立ち上がるのはどうにも恐ろしくて四人で固まって座り込んでいた。
ここは何処で、どうしてこんな所に自分達がいるのか。
とうとう四人で狂ったか?
なんて思っても、誰も言葉にしなかった。
白いだけで匂いすら感じない空間に、ふわりと風が舞う。
柔らかくて優しい風に思わず瞳を閉じてしまう。
風が止まってからゆっくり瞼を上げれば、そこには。
『こんばんは。』
なんて微笑む子供が一人。
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user(プロフ) - bamさん» ありがとうございます!スローペースですが今後も楽しんでいただければ嬉しいです! (7月9日 4時) (レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
bam(プロフ) - この先どうなるかドキドキしながら見守る気持ちです。更新楽しみにしています! (7月8日 14時) (レス) id: e2f44e88a0 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - 中身のないミカンさん» ありがとうございます、コメント嬉しいです!励みになります! (2021年11月4日 3時) (レス) id: bc32234889 (このIDを非表示/違反報告)
中身のないミカン(プロフ) - こちらの作品も他の作品も好きです。個人的好みなので更新楽しみです (2021年11月2日 5時) (レス) id: b0e448d7d6 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - 名前しずくさん» ありがとうございます!その言葉がモチベーションに繋がります!嬉しいです! (2021年10月30日 0時) (レス) id: bc32234889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:user | 作成日時:2021年10月28日 3時