二人のお家 (ページ6)

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「お疲れ様でした！」

「お疲れ様でした。」

「有難うございました！」

収録が終わって、共演者の方やスタッフさん達に頭を下げて挨拶をする。
今日も無事に収録が終わったことに、宮舘は人知れず胸を撫で下ろした。

彼らは公表してからどうしても嫌な思いをすることが多く、多くのスタッフや共演者がいる場面では身構えてしまう様になっていた。
宮舘と佐久間はその件に関して本当に申し訳なく思っているが、メンバーである七人はむしろ二人に同情的だった。
公表したくてした訳じゃあ無いからだ。
あの時期は地獄だったとは渡辺の言葉である。

そんな緊張感から解放された彼等は、各々次の仕事の準備に取り掛かる。
宮舘と佐久間も一旦ここで解散し違う仕事へ向かう。
九人でない仕事は不安が大きいが仕方がない。

「大介、俺が持ってて良い？」

「あ、うん。家で返して。」

宮舘が佐久間に確認を取ったのは、指輪の件だ。
仕事のある日はこうして一つの箱に入れた二つの指輪をどちらかが持ち歩く。
基本は佐久間が持っているのだが、極稀に宮舘が持ちたがる。

「舘さん、大丈夫なの？」

「個人じゃないよね、一緒の人誰？」

「俺。」

「翔太か。なら大丈夫かな。」

メンバーがそんな宮舘を見てそわそわと話し出す。
理由は明快、宮舘が指輪を持ちたがるのは不安な仕事のある時だからだ。
この後の宮舘の予定は、渡辺と二人で雑誌の撮影と取材。

「翔太、涼太のこと頼むね。」

「当たり前。任せとけ。」

少し心配そうな佐久間に頼まれた渡辺は、安心させる様に笑ってそう返した。
それぞれが不安と心配を抱えながら、個人の仕事へ向かった。