二人のお家 (ページ13)

今日:17 hit、昨日:30 hit、合計:38,913 hit

＊ページ13

.

指輪の箱を持って行って、佐久間に渡しながら声を掛ける。

「おかえり。」

「お、誰か来てんね。翔太？」

「そう。今お風呂入ってもらってる。」

靴を脱いだ佐久間とリビングへ向かいながらそんな話をする。
渡辺が入浴中だと聞いた佐久間は、ソファに座ってぽんぽんと自分の隣を叩く。
宮舘は素直に佐久間の隣へ座った。

「わ、」

ぎゅう。
突然佐久間に抱きしめられた宮舘は咄嗟のことにバランスを保てず、引かれるまま佐久間の腕の中へもたれ込んだ。

「吃驚した……大介？」

どうしたのの意味を込めて名前を呼ぶと、優しく撫でられる頭。
されるがままになりながら、宮舘は佐久間が口を開くのを待つ。
少し緊張した面持ちで佐久間が問い掛けた。

「……なんかあった、とかじゃない？」

「あぁ、そういうことね？大丈夫、何も無かったよ。」

「そっか。良かったぁ。」

宮舘の答えに心底ほっとしたらしい佐久間は、ふわりと笑った。
渡辺が泊まると察した佐久間は、またあのスタジオで何かあったのかと思ったらしい。
佐久間の言いたいことを理解した宮舘も、安心させる様に笑ってみせた。

「大介疲れてるでしょ。翔太出たらお風呂入りなよ。」

「良いよ、涼太入りな。俺帰ったばっかだしちょっと休んどくから。」

翔太の相手は任せろと笑う佐久間に、じゃあ遠慮なくと返す宮舘。
そしてそれを生暖かい眼差しで見つめる渡辺。

「俺もう出てるんだよなぁ。」

「うわっ、吃驚した！」

「見てないで声掛けてよ。」

「だから今掛けたじゃん。」