二人のお家 (ページ12)

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お泊まりページ12

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よくメンバーが泊まりに来るこの家では、服は最悪貸せば良いが下着の共有はしたくないという理由でメンバー専用の小さなクローゼットがある。
厚紙で仕切りを作って、七つに区分されたそこには下着以外にも各々が持ち込んだものが入っている。
勝手知ったる渡辺は自分のスペースから下着やら何やらを取り出して、先に風呂をいただく。
渡辺は後でで良いと言ったのだが、宮舘が客人より先に入ることを拒んだ。

「タオル置いとくから使って。」

「ん、ありがと。」

「いーえ。ごゆっくりどうぞ。」

渡辺が風呂に入って暫く。
一人の時間を持て余すことが苦手な宮舘は夕食を作り出す。
とはいえ、下味だとか野菜を切っておくだとかその程度だが。
普段は夕食を終えてから入浴という流れなのだが、客人がいる時は逆になる。

それがどうしてだったかは、もう誰も覚えていないが。

「ただいまぁ。」

黙々と作業を進めほとんど終わった状態になった時、玄関の扉が開く音が聞こえた。
同時に聞こえた声は帰宅を示すもので、宮舘は出迎えるために玄関へ向かった。